インフレに伴う高金利で世界経済のトレンドは一変するか

二か月続けてNISAの話を書いたのですが、
どんなに良い制度でも使う人間の知識と判断力がないと意味がないものです。
私は今回、今後の経済の先行きについて考えてみたいと思います。

といっても、経済の先行きが僕ごときにわかるはずもありません。
経済というのは一握りの天才による影響もあれば、圧倒的多数の心理によって左右されることもあるので、賢ければ儲かるというものでもありません。かつてのオイルショックやリーマンショックのように、一度世間の心理が恐怖に傾けば堰を切ったように市場からマネーが消えてしまいます。

つまり預金しておくのが正解なのでしょうか?お金持ちはそれでもいいでしょう。しかし今後、インフレが加速したら?日本も利上げの波が来たら?リテラシーのない人はどんどん貧しくなるのが目に見えています。せめて自分の生活を守れるくらいには、今後の展開で投資判断を切り替えていけるリスクヘッジ力をみにつけておくといいと私は思います。

昨年12月末に日銀が実質的な利上げに踏み切りました。衝撃でしたね。黒田総裁の任期中は利上げはないと思っていました。どうやら継続的な利上げをするわけではないみたいですが、岸田総理は黒田総裁の続投はないと断言していました。批判したくはないですが、総理大臣としての発言をわきまえた方がいいと思いますね…。

米国も11月、12月のCPIを受けて長期金利は低下。日米ともにいったんは金利上昇が止まった形になっています。

本当に利上げが止まるのか…元米国財務長官のローレンス・サマーズは2023/1/7にブルームバーグのインタビューに対し、

「おびただしい数の債券市場の指標や米金融当局の長期見通しは、最近急騰するまでインフレを押し下げていた要因が復活するとの期待が広範に存在することを示唆している。そうした想定は誤りである公算が大きい。」

「第2次世界大戦の終了時期を予測した人々と同じように、長期的な停滞と低金利の経済に戻るとの見通しは間違いになるだろう」と言っていました。

細かい話を書くと相当な文章量になるので割愛しますが、ようするに低金利の時代が終わることを示唆しています。

米国の長期金利は38年かけて金利が下降してきたものが昨年、トレンドラインを割って上昇しました。主要因はコロナショックによる無理な量的緩和でしょうけどね。しかし過去のデータから見ると20年~40年でトレンド転換が起きていることもあり、心理的にも実態経済的にも金利上昇トレンドに入った可能性があります。

今後、インフレ相場が続き、金利上昇が20年以上続く相場になったとしたら…金利の高い債券で資産を持っている人は得をしますね。本当にそうなったとしたら多くの会社が倒産するか維持するのがやっとで設備投資にもお金が回せないことになりますから、Web業界にも大きな逆風が予想されます。金利で儲かっても、残念なことに主たる収入がなくなっては生活できませんね。

結論、私たちができることは経済がどちらに向かってもそれに適応できるよう準備をしておくほかありません。一番は、仮に会社がなくなっても生活できるようスキルと収入源を持っておくことです。次に資産を債券と株式に振り分ける比率を調整しておくこと。大きくお金持ちになるのではなく堅実に利益を取っていくことを考えるべきだと私は思います。

ここまで書いてきて、投資を渋るような内容になっていますが、
私は株式投資をやめて債券に切り替えた方がいいと言っているのではありません。
まして日本国債券で持っているだけなんて勿体ない!!
長期で投資する20~30代にとっては株式に下降トレンドで投資するチャンスだと言い換えられます。やったね!!

私自身、今持っている個別株の比率は一旦減らしますが、債券比率を上げるつもりはありません(米ドルの金利はおいしいのでコロナ下の円高で仕入れた分は一生保有しますが)。株式は15年くらいかけて買いなおすことにします。NISAの非課税額1800万円を使うにはうってつけのトレンドですね。楽しみです。

トラックバックURL