先日、ナッツ&フルーツを買った。
カシューナッツとアーモンド、ドライパイン、クランベリー、レーズン。
袋に手を突っ込んだら、だいたいアーモンドとレーズンをつまんでしまう。
ドライパインが好きなので、食べてすぐまた袋に手を突っ込む。
レーズンの塊をつまんでしまう。
それを一つ一つほぐしながら食べていると、昔の記憶が思い出された。
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親が離婚した小学1年の三学期。
土曜日、下校班の上級生たちと通学路を歩いて帰っていた。
先を歩いていた上級生が駆け寄ってきた。
「プコちゃん、お母さんがあそこで呼びよるよ。待っちょるけー行ってきんさい。」
通学路の影に母と妹が自転車で来ていた。
私は、祖母に母と会っていることがバレると叱られる!と勝手に思い込んでいたので、慌てたが、上級生が会ってきてと言うので渋々行った。
母はうれしそうで悲しそうな顔をして、バッグから干し葡萄の袋を出してきた。
「プコちゃん、干し葡萄好きだったよね!ここに入れとくけえ、おばあちゃんに内緒でこっそり食べんさい。」
とランドセルを開けて突っ込んできた。
丁度薄い教科書と同じサイズ感のそのレーズンを入れて帰って行った。
私は、別に干し葡萄はそれほど好きでもないんだけど…どうして好きだと思ったんだろう。
という気持ちと、祖母にバレたらどうしよう!という怖い気持ちでごちゃまぜになりながら、上級生の元に戻って、祖父母の家へ帰った。
その後、そのレーズンを食べたのかどうか思い出せない。
祖母にバレるのが怖くて食べられずに居たような気もする。
ただ、母と妹が道の先に立っていて、私のランドセルにレーズンの袋を突っ込んだこと。
せっかく会いに来ておやつを渡してくれたのに、喜ぶより有難迷惑だと思ってしまったこと。
それを、レーズンを食べるたびに思い出してしまう。
ずっと、母がどうして干し葡萄が好きだと思っていたのかが不思議だった。
今この記事を書いていて、やっとその謎が解けた。
母と一緒に大きな町へ出かけた時、必ず行くお店があった。
それがパン屋さん。
そこで私はチーズの角切りが入ったフランスパンか、ぶどうパンをいつも買っていた。
だから私がレーズンが好きだと母は思っていたのだ。きっと。
今でも、ぶどうパンを見かけるとよく買っていて、プースケに
「プコちゃん、ぶどうパンが好きだねぇ。」
と言われるくらいだ。
そうか、お母さん、そうだったんだねぇ。
40年かかってやっと分かったよ!