今週の美術館巡りは、ちょっと美術畑ど真ん中から離れてイラストを中心に活躍した昭和のマルチプレイヤー、和田誠展を観に東京オペラシティアートギャラリーまで行ってまいりました。
2021年10月9日[土]―12月19日[日]
この方の作品を見て思うのはまず巧い、という事ですねぇ。
何をどう描いても巧い…上手というより巧み、的確なんですよね、ものすごいなぁ、と思います。
絵画などの芸術作品の場合、原画と印刷物を並べると、印刷物がショボショボで見るに堪えなかったりしがちなのですが、印刷を前提としたイラスト作品の場合は印刷された後の方が本番で、その辺の匙加減が難しかったりするのですよね。
そういう意味で、原画と印刷物の間の距離感があまりない所に、凄いプロフェッショナル感を感じます。
イラスト、デザインから谷川俊太郎氏などと組んでの絵本作品、映画を中心としたエッセイ作品、「ゴールデン洋画劇場」オープニングなどのアニメーションから、果ては「麻雀放浪記」「怪盗ルビィ」の映画監督まで、本当に多彩な方です、さぞかし神様に愛された方なんでしょうね。
似顔絵も上手ですねぇ、こちらは映画『モロッコ』、楽曲「リリー・マルレーン」でお馴染みの大女優・マレーネ・ディートリヒ。
マレーネご本人による「THAT IS NOT ME!」というサインが面白いです、似顔絵あるあるですね…(笑
この方のライフワークのひとつ、ずらりと並んだ週刊文春の表紙絵も壮観!
特に、ネコ・ゾーン周りを撮ってみました…(笑
個人的には、初期学生時代前後、とにかく色々ごっちゃ煮で尖がってる頃の作品群が好みでした。
同時開催されていた収蔵品展「難波田史男:線と色彩」、個人的にはこちらもかなり素晴らしかったです、伏兵的に。
この方存じ上げなかったのですが、画家で詩人の難波田龍起氏の息子さんなのですねぇ、パパンの作品は見た事あったんですけども。
《無題》
ワタクシ、絵画とかって日本人の平均値からすれば割と好きな方だと思うのですが、ムチャクチャ勉強して詰め込んで見てきた、とかいう訳ではないんで、まだまだ知らない作家さんが全然多くて、改めてビックリするんですよねぇ…(苦笑
不勉強だったなぁ、という思いもありつつも、逆に言えば今後の人生に沢山の楽しみが残ってる訳で、それはそれでいいような気もしています(笑
《青年の夢 1》
線画で有名な方らしいですが、個人的には色が入ってる方が断然好きです。
ザ・抽象画!感のあるパパンの作品と違い、緩やかに具象をなぞってる感じもムッチャ好み…
作品を見てるとぼんやり脳内麻薬が滲んでくる感じ、絵画の愉しみって結局ここなのでは?と感じさせてくれます。
水彩画を中心にこんな感じの素晴らしい作品を物凄く沢山かいてらっしゃるとの事、こちらの美術館では沢山収蔵されてるとの事でまた見に来たいですねぇ。
画集も買っちゃいました…(笑
東京オペラシティのレストランはお高そうなお店が多かったこともあり、今回はご近所幡ケ谷の洋食屋・VOCALでランチ。
懐かしいダイヤル式ピンク電話!
昭和感のある佇まいですが、お店の方は意外と若い感じ?
お料理も実に懐かしい感じの家庭的な、でも家庭ではなかなか出せないお味のカツレツ、とっても美味しゅうございました。
ご近所に欲しいお店、あったら完全にリピします…
■「速水御舟と吉田善彦 ―師弟による超絶技巧の競演―」at 山種美術館
■「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」at 東京都美術館
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