PR文に悩む女性

SNSで盛んに行われているプレゼント企画。

 

 応募して当選した後"使ってみてよければSNSで紹介してください"と頼まれることもあれば、そもそもSNSやブログでの紹介が前提の提供もありますよね。

 

また、インフルエンサーの場合、有償で紹介を頼まれることも多いようです。

 

今回は、以前好評だったモニター記事の書き方から一歩踏み込んで、皆さんが気にしているであろう薬機法についても触れつつ記事の書き方を解説します。

 

コスメモニターと薬機法

コスメモニターと薬機法について

有償レビューやクチコミを前提とした商品提供の場合”薬機法をふまえてください”とか、”○○という表現は不可”など指定されることも。

 

戸惑う人もいると思いますが、概ね化粧品の場合は、薬機法をふまえた表現が求められることが多いです。

 

薬機法とは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質や有効性、安全性を確保するために製造や表示、流通、広告について細かく定めた法律です。

 

ですから、化粧品や医薬部外品の広告に深くかかわってきます。

 

薬機法についてまったく知識がなかったころ、記事を書くなら美容記事と思い求人に応募していたのですが、ほぼ全滅でした。

 

美容ライターを目指すのであれば薬機法はマストです。

 

では、コスメモニターあるいは愛用者として化粧品を紹介する場合はどうでしょうか。

 

表現に注意が必要なケースとそこまで必要ではないケースの2パターン考えられます。

 

基準はそのクチコミが広告なのか、それともただの感想なのかです。

 

広告→薬機法に注意

広告ではない→薬機法は直接関係ありません。

 

 

実は、そのクチコミが広告なのか感想なのかについての線引きはきちんと決まっています。

 

ー薬機法が関係する場合

以下の3つの基準を満たした場合、薬機法をふまえた表現が求められます。

 

①商品名

②一般の人が認知できる状態

③誘引性:購入を促している意図がある

 

まず、全ての人が見ることのできるSNSで商品名を記載し、商品の特長を書いた場合、すでに①、②を満たしています。

 

そして、最後の③ですが「おすすめですよ。是非使ってみてください」などと購入を促すような文章を入れたり、購入へと繋がる「リンク」を貼るなどの対応をした場合、購入を促している意図があるとみなされます。

 

たとえば、購入した化粧品がすごく良かったからおすすめしたいなあと思いブログに投稿。

 

商品の良さをアピールし、商品名を記載。さらに、購入はここからできるよ~など、Amazonなどのリンクを貼るといった例が該当します。

 

 

 

 

 

 

ー薬機法が関係しない場合

薬機法をそこまで気にする必要がないのは、購入した商品の感想をただ書いているだけの投稿。

 

リンクもはらず、おすすめもせず、感想のみであれば、広告とはいえません。

 

例としては、商品の写真を撮影。本文に”○○なところが気に入っています”と投稿しているケースです。

 

購入品以外の懸賞品、試供品なども同じです。

 

 

 

ーステマを防ぐために

ステマというのは、広告であるにも関わらず、広告を隠して表示することです。

 

例えば、宣伝のためにブランドや代理店が商品をプレゼント。そのかわりに、指示に従って投稿してくださいというものが含まれます。この場合、提供品であることを隠して、投稿するとステマになります。

 

投稿を前提とした提供品をブログなどのSNSで紹介する場合は、PR・宣伝・広告・プロモーションといった、誰もが一目でわかる言葉で冒頭に明記。

 

〇〇さまにいただきました。

A社のプロモーションに参加しています 

 

と記事との関係性をはっきりかいておきましょう。

 

ーコスメ表現のルールとは

 

ここからは、薬機法をふまえて、特長などを表現するさいのルールについて説明します。
 

有償記事やSNSでのクチコミを前提とした商品の提供は①~③を満たしている場合が多く、薬機法をふまえた表現が求められます。

 

では、薬機法をふまえた表現とは何か。

 

化粧品においては、記載できる効能の範囲が以下の通り決まっています。

 

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。 

(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。 

(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。 

(4) 毛髪にはり、こしを与える。 

(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。 

(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。 

(7) 毛髪をしなやかにする。 

(8) クシどおりをよくする。 

(9) 毛髪のつやを保つ。 

(10)毛髪につやを与える。 

(11)フケ、カユミがとれる。

(12)フケ、カユミを抑える。 

(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。

  (14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。 

(15)髪型を整え、保持する。 

(16)毛髪の帯電を防止する。 

(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。 

(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。 

(19)肌を整える。 

(20)肌のキメを整える。 

(21)皮膚をすこやかに保つ。 

(22)肌荒れを防ぐ。 

(23)肌をひきしめる。 

(24)皮膚にうるおいを与える。 

(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。 

(26)皮膚の柔軟性を保つ。 

(27)皮膚を保護する。 

(28)皮膚の乾燥を防ぐ。

(29)肌を柔らげる。 

(30)肌にはりを与える。 

(31)肌にツヤを与える。 

(32)肌を滑らかにする。 

(33)ひげを剃りやすくする。

(34)ひげそり後の肌を整える。 

(35)あせもを防ぐ(打粉)。 

(36)日やけを防ぐ。 

(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。

(38)芳香を与える。 

(39)爪を保護する。 

(40)爪をすこやかに保つ。 

(41)爪にうるおいを与える。 

(42)口唇の荒れを防ぐ。

(43)口唇のキメを整える。 

(44)口唇にうるおいを与える。 

(45)口唇をすこやかにする。 

(46)口唇を保護する。 口唇の乾燥を防ぐ。 

(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。 

(48)口唇を滑らかにする。 

(49)ムシ歯を防ぐ(※)。 

(50)歯を白くする(※)。

(51)歯垢を除去する(※)。   

(52)口中を浄化する(歯みがき類)。 

(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。 

(54)歯のやにを取る(※)。 

(55)歯石の沈着を防ぐ(※)。 

(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。 

(※使用時にブラッシングを行う歯みがき類)  例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。

 注 2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。

 注 3)(  )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

 注 4)(56)については、日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等 を行い、その効果を確認した場合に限る。

 

例えば、化粧品の紹介で見かける「抗酸化」や「アンチエイジング」「鎮静」などの表現はここからはかけ離れています。薬機法をふまえた紹介とは言えません。

 

56も書けるの?とみるか「うるおう」「整える」ぐらいしか言えないとみるかは人それぞれですが、紹介する場合は、この範囲の表現を使います。

 

※薬機法は時代にあわせて変化します。常に最新の情報を入手しアップデートしてください。

 

ー効能の範囲も使えない体験談

体験談というのは、SNSの投稿というよりは、例えば広告記事などでSNSの投稿を使用するケースが該当します。

 

直接、SNS投稿とは関係ないといってしまうとそれまでですが、もしも投稿内容を広告記事に掲載してもらい、収入を得たいのであれば、広告として使える表現にする必要があります。

 

『一体、何を書けばよい?うるおいましたも体験談として広告に使えないなんて。』

 

と思うかもしれませんが、結果ではなく使用感を書くにつきます。

 

考えてみると”うるおいました”って本当のところはどうかわからないもの。

 

ですから、「しっとりというよりはさっぱり」などの使用感。使い方、香りのイメージなどをなるべく詳しくかきましょう。

添削例

記事の添削

 

これから、実際に私が過去に書いたレビュー文を添削します。

 

以下が過去の記事になります。

 

過去の記事

 彩り株式会社様よりモーガンズ ハンドメイドソープA フランクインセンス サヴォンハンドロタントを頂きました。

モーガンズ ハンドメイドソープA フランクインセンス サヴォンハンドロタント80g 2,000円(税別)
この洗顔せっけんは、保存料、タール系色素を一切使用していない、無添加の自然派石鹸です。
肌を整える保湿効果や肌の成長を促すアンチエイジング効果が期待される「 フランキンセンス」が配合。他にも、アルガンオイルやシアバターなど肌が喜ぶ美肌成分がぎゅっとつまっています。
基本的な化粧品には、水が多く含まれているのですが、モーガンズのハンドメイドソープAは、水よりもオリーブオイルが多め。
泡立てネットを使って泡立てると、真っ白なきめ細かい泡ができます。たっぷりの泡で顔を包み込むように洗うと、甘くスパイシーな香りがたち、とても癒されました
肌の乾燥が気になる季節は、洗浄力よりもうるおいに重点をおいてケアしたいので、これからの季節にぴったりです。
彩り株式会社様 ありがとうございました。
参考URL:http://mogans.jp/

 

 

 

まず、黄色ラインにあるように商品名、最後に参考URLも貼ってあります。商品の購入に直接繋がるわけではありませんが、添削しました。表現として修正すべきなのが、オレンジの文字の部分です。

 

一番問題なのは、「アンチエイジング効果」という言葉。この言葉は、効能の範囲を超えるので使えません。

 

かわりに「エイジングケア(※)」とし、(※)年齢に応じたお手入れと注釈をいれると使用できます。

とはいっても、例文のようにエイジングケア成分という使い方はできません。

なぜなら、年齢に応じたお手入れ成分という意味のよくわからない言葉になるからです。

あくまでも商品を使う場合において「エイジングケア」という表現を使用しましょう。

 

今回は、公式サイトにこれらの表現が使われていないため削除します。

簡単に添削したものがこちらです。

 

【PR】彩り株式会社様よりモーガンズのハンドメイドソープを頂きました。
モーガンズ ハンドメイドソープA フランクインセンス サヴォンハンドロタント80g 2,000円(税別)
 

こちらの洗顔せっけんは、洗顔後のツッパリが苦手な人におすすめです。


強い生命力を持つとされる「フランキンセンス(※)」の他、アルガンオイル(※)やシアバター(※)など肌が喜ぶうるおい成分がぎゅっとつまっています。水よりもオリーブオイルが多く含まれている点も魅力に感じました。 

(※)保湿成分


泡立てネットを使って泡立てると、真っ白なきめ細かい泡が立ちます。たっぷりの泡で顔を包み込むように洗うと、甘くスパイシーな香りが立ち、明日も頑張ろう!と気持ちも前向きに


乾燥が気になる日は、洗浄力よりもうるおいを重視したいところです。特にカサつきがちな冬のお手入れに活用したいですね。


彩り株式会社様ありがとうございました。参考URL:http://mogans.jp/

 

※修正済みです

まとめ

今回は、前回よりも一歩踏み込んだコスメモニターの感想の書き方を紹介しました。次回は、さらに踏み込んでより魅力的な記事の表現について解説したいと思います。