甘酸っぱい 四画関係 ~ そして今 ~
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お帰り 藤原

バタバタと、数人の看護婦さんが、大きな器具と、


点滴を数本運んで来て、藤原の身体に入れて行きます。







酸素マスクは、別の形の物に変えられました。








どうゆう状態?



どうして、こんなに大掛かりなの?


目が覚めたのに・・・・。





一抹の不安が過ぎります。







どうゆう事ですか?


どうゆう状態ですか?


何か悪い状況なんですか?




とも、突っ込めない雰囲気に、私達は 


ただ ただ  息を潜めて見守るしかありませんでした。







藤原の姿さえ、大勢の看護婦さんの隙間からさえも、


見えない。





長い長い時間が過ぎ、看護婦さんが私達に、





看護婦 「もう、大丈夫ですよ。


      拒否反応も今の所無いみたいです。


      ただ、まだあまり会話をして疲れさせないように


      御願いしますね。



      くれぐれも、面会時間は守ってくださいね。」




そう言ってくださり、私達を藤原の傍に、寄せてくれました。




バタバタと、後片付けをして、お医者さんと看護婦さん達は、


病室を出て行きました。







あ?






令子さんの姿も消えていました。





何時の間にいなくなったんだろう・・・・。




何処のホテルに滞在しているんだったけ?



私は、令子さんの後を追いました。





病院をくまなく探し、看護婦さんに尋ねもしたけれど、


何処にもいません。



病院の外も、病院の周りの街も探しましたが、


何処にも  もう居ませんでした。





どうするの?


このまま、会わないで終わり?




本当に、藤原の前に姿を見せないつもりなの?




会えない気持ちは、貴女がした事を思えば、分からなくはないけれど、


じゃぁ、子供の気持ちはどうなの?






文句の1つも言わせないの?





なじられても、受け止めてあげればいいのに・・・・。






藤原は、貴女の思い出の中で生きていたのに。


それ程、貴女を恋しがっていたのに、


その気持ちは、また放置したまま、藤原一人で、


残り越えろって、







また、





自分だけ逃げてしまうの?







何があったのかは、本人しか分からない事だけれど、


こんなんじゃ、せつな過ぎる。







息子と今、直面して、どんな展開になるかは、


親子の形があるのだから、分からないけれど、


令子さんは、立ち向かうべき。





その上で、二度と会わないと、藤原から言い渡されても、


それは、仕方ない。





そうなってから、消えてくれてもいいのではないか・・・・。




自分が、会うのが怖いって、まだ自身をかばう理由で


会いたくないと隠れるなら、ひどすぎる・・・・。




親子の数だけ、形はあるのだろうけれど、


なんだか、私は勝手に想像して、怒っていました。






病室に戻ると、藤原は完全に目を覚ましていました。


大量の出血をした後遺症なのでしょうか、


全身が浮腫んでいるように、見えますが、笑顔で私達に、


対応する元気はあるみたい。




美姫 「なんだか、イケ面が台無しね!


    藤原が太ると、こんな顔になるんだろうね!」




冗談にならない冗談を 吐き出します。






おいおいおい・・・・。


ナルちゃんの、藤原にはその言葉はキツイんじゃないの?






藤原 「なにっ!


    鏡ないの?


    鏡ちょうだい!」






ほらっ!


反応しちゃたじゃない!





美姫 「手鏡なんて無いわよ!


     変わりに、記念に写メ撮ってあげようか?」






藤原 「コンパクト無いの?


     持ってるだろ?


     貸して!」







美姫 「あるわけないじゃない!!


     飛んで来たのよ!


     家に戻ってないし!



     見てよ!


     化粧する暇も無かったわ!



     どんだけ、心配したと思ってんの?







     あるわけないじゃない!」







美姫は、泣き出してしまいました。






そう・・・・、美姫は、放心状態だったんだよ。


着替えさえ出来ない程に、貴方の事、貴方が怪我した事が


耐えられなかったんだよ・・・・。





藤原 「ごめん・・・・。


     そうだったんだぁ・・・・。




     そうだな。


     2人共、ひどい顔しているな!


     顔がテカテカだぞ?


     白い跡も沢山付いてて、汚い顔しているぞ!


     涙って、塩分入ってるから、


     塩吹いてんぞ!


     洗って来いよ!」





美姫と私は顔を改めて、見合わせたら、


あらほんとだ、顔がテカテカしてて、涙の跡が白い模様で


くっきり顔に付いている。






なんだか、あんまりの みっともない顔に、こんな私でさえ、


噴出してしまいました。





美姫 「あんたの顔も、相当なもんよ!


     顔を洗って来ましょ!」






美姫は、怒ったように、私の手をひっぱり病室の外に向かいます。






私  「 お帰り!  藤原!」





美姫 「お帰り!」





なんだか、この言葉が、すごく重く感じて、


涙がまた出て来てしまって、私達は、これ以上みっともない顔に


ならないように、お手洗いへと急ぎました。








To be continued





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