夢をあきらめないで
忘れられない
夏がある
もう２８歳だった私は
１０代の君に
惹かれたの？
キミは
甲子園で
懸命に白球を追っていた
不器用で
情熱家で
キミが
顔をクシャクシャにして
笑うのが
大好きだった。
夢のような
あの日々を
私は決して
忘れない。
キミもだよね？
あの夏ずっと
流れていた
“夢をあきらめないで”
キミは夢をかなえたけれど
この曲は永遠に
二人のココロには
鳴り続けるのかな…。
（ｐｏｅｍ ｂｙ 楓）
（ｓｔｏｒｙ ｂｙ 楓）
香は、新聞社に入社して以来、
一貫して運動部志望だった。
「スポーツを通して
人間ドラマが書きたい」
それが、香の夢だった。
入社二年目、
香は社会部で、いわゆる“サツ回り”
新宿警察署記者クラブを
担当していた。
他社の
先輩記者にも可愛がられ
楽しい日々を送っていた。
そんな香が運動部志望だということを
知っていた
当時の社会部長は
一ヶ月間の
香にとっては夢のような
夏の甲子園取材の
チャンスを与えてくれた。
香は舞い上がった。
１年前に脱ＯＬで、
２８歳にして夢に一歩近づけたことが
奇跡だった。
甲子園取材班は
主催のＡ新聞社や
生中継を続けるＮ公共放送以外は
各社７～８人の
取材班が送り込まれる。
ただ、運動面と
地元の代表の詳細を送る
地域版担当の２手に分かれる。
地域版は社会部記者と
各支局から派遣される若手記者で
構成される。
香もその一員。
取材班のキャップの
指示のもと
担当校の
戦記（くわしい試合経過）
サイドストーリー（試合の戦記以外の
もうひとつのドラマ記事）
雑感（アルプス席の様子など）
ヒーロー（その試合で活躍した選手）
担当が分かれ
取材に走り、
記事をどんどん書き上げていく。
一日多いときは４試合だから
４本担当するものが違っても
書かなければならない。
常総学園（茨城）
拓大広陵（千葉）
東海大相模（神奈川）
愛工大名電（名古屋）…
など
軒並み
強豪が顔を揃える中
なぜか
埼玉代表だけは
名もない公立校が
代表となっていた。
ところが
試合が進むに連れて
ミラクルを起こし、
あれよあれよと
勝ち進んだ。
残りチームが
少なくなり、
自然と香は
埼玉代表番記者のようになり
キャプテンやスタメンの選手や
監督ととても
仲良くなっていった。
特にキャプテンの
城田と。
城田は、たいして運動神経もよくなく
むしろ不器用なのに
その気概を買われて
監督が
彼を主将にしていた。
７番センター。
それが
城田の定位置だった。
情熱的で
自ら率先して動くことで
チームを引っぱっていた。
よく試合前に香と色々な話を
するようになっていた。
「オレ、英語を教える高校の
先生になりたいんですよ」
「オレ、めっちゃカワイイ
彼女がいて、桃子って
言うんですけど、
絶対結婚しますからね、
香さん、結婚式来て下さいね」。
試合終了後
選手や監督がインタビューを受ける
お立ち台が
休場の通路に無造作に置いてあったが
そこに
腰掛け、将来の夢を
語り合ったりした。
当時、香は会社員から
転身したばかりで
身なりがＯＬっぽく
周りのスポーツ紙や記者仲間から
“ＯＬ記者”の異名をとっていた。
高校球児とＯＬ記者は
日に日に仲良くなっていった。
…つづく…
このつづきは
「恋の葉２ ～続・せつな過ぎる恋歌たち」で
アップされました。
お楽しみください。
“ひだまりの詩”
“もう一度キスしたい”も
アップされました。
よろしくお願いします。
恋の葉２ ～続・せつな過ぎる恋歌たち／渚あんど楓著
http://www.intel.co.jp/jp/tomorrow/#/book/read?isbn=5794838719715&&chapter=0
携帯版はこちら
http://m.intel-c.jp/s/m/book/toc/5794838719715?guid=on
左のバナーからも入れます。
よろしくお願いします。
「恋 の 葉
～せつな過ぎる恋歌たち」
渚あんど楓
http://www.intel.co.jp/jp/tomorrow/#/book/read?isbn=5794838716201&&chapter=0
携帯版はこちら
http://m.intel-c.jp/s/m/book/toc/5794838716201?guid=on
好評連載中！
愛のポチポチ
“ちびつよこ”で１ポチ
ペタ天使で１ポチ
よろしくお願いします
