コロナ対策ひとつとってみても、日本人はみんなでやるという姿勢が、世界中のどこの国よりも強いことがわかります。
おそらく大人だけでなく子どもたち、しかも幼い子どもにも、目に見えない形で影響していると思うのです。
それは、周囲の大人の言動や態度で、しらずしらずに示されるのです。
強い同調圧力は個性を伸ばしたり、とびぬけた才能を生み出すのには邪魔になりますが、使い方次第では、子どもの学習に生かせるのではないかと思います。
その理由を説明しますね。
子どもは自由だといいますが、幼い子どもにとっての環境は、ほぼ家庭がすべてで、その中での自由なのです。
幼稚園・保育園へ行きだしたら、そちらの影響も強まりますが、休日は家にいますし、平日も睡眠時間を含みますが家庭にいる時間の方が圧倒的に長いです。
そこで、家庭にどのような環境を用意するかということです。
例えば、両親や兄弟がみんな本を読むような家庭であれば、ほうっておいてもそこに生まれた子は、当たり前に本を読みだすと思います。
想像してみてください。
家族が夕食後にお茶やコーヒーを飲みながら、思い思いに好きな本を読んでいるリビングルームにいる様子を。
そこに、歩き始めたばかりの幼児が、パパやママのところに行くと、抱き上げて膝に座らせます。
すると、読んでいる本をいたずらして、めくったりしようとします。
あるいは、読めないように本の上に覆いかぶさって邪魔をします。
羊家でもこうした行為はよくありました。
自分にかまって欲しいので、そんなことをするのです。
そこで、中断して子どもの相手をします。
こうしたことを繰り返している内に、パパやママがじっと見ているものは、なにやら面白いものらしいと刷り込まれます。
そこで、「これはあなたの本よ」と絵本を与えます。
そして、読み聞かせを始めます。
最初は興味を示さないかもしれません。
でも、繰り返しているうちに、だんだん話を聞くようになります。
こうやっているうちに、絵本の読み聞かせが習慣になり、やがて全部暗唱しだし、最終的には自分で本を読むようになります。
小学生の勉強でも同じです。
この時間はみんなが勉強するのが当たり前という環境を作れば、自分だけやらずに遊んでいるのは、居心地が悪いので、一緒に勉強を始めるでしょう。
実体験として、中学受験生がクラスの半分を占めるような小学校では、みんなが勉強するようになります。
休み時間に子どもどうしが勉強や受験の話をするので、意識しないではいられません。
「人は環境の子なり」とは、スズキメソード創始者鈴木眞一先生の言葉ですが、真理を言い当てていると思います。
最近の脳科学の研究では、幼いころの環境が、脳の部位に物理的な影響を及ぼすこともわかってきています。
幼いころの環境と言うのは、想像以上に人の成長に影響しているのかもしれませんね。(羊)