2024年 2月 吉日
新聞・読者川柳
「今夜またぬるめの燗で八代亜紀」
(八代亜紀か!)
遠方より友来る、亦 楽しからずや
(論語か!)
カツオとH君は小綺麗な和食居酒屋で久しぶりに対面した。
年賀状でH君の再婚&出産を知って早速一杯やろうということになって
セッティングした会食である。
「久しぶりだね、かんぱ~い!」
「おめでとう!今日はオイラのおごりだから遠慮なく飲んでよ」
H君の再婚はお相手の女性が20歳近く年下だっていうから
羨ましいかぎりだ。
(極楽とんぼか!)
「そして子宝にも恵まれて。願ったり叶ったりだよね」
「おかげさまで」
産まれての(生後6ヶ月)の赤ちゃんは女の子だそうだ。
「赤ちゃん、かわいいんだろ?」
「そりゃもう、かわいいの、かわいくないのって」
(どっちなんだよ!)
「それでさ、今日は婚活のことをくわしく聞きたいな」
「絶対大丈夫だよ!諦めずに活動していけば1人くらいは
会う女性がいるってば」
「そんなもんかね。もっと具体的なアドバイスがほしいっての」
「それはまた次回だね、ははは。いざとなったら奥の手も
教えてあげる!さて、今夜は寒いからもっと飲んであったまろー」
H君はスイッチが入ってきたようだ。
「はいはい、今夜はいくらでも飲んでおくれ、何にする?」
「熱燗だね。ただし、ぬるめの燗がいいね!」
(八代亜紀か!)
久しぶりに女性からのお申し込みが来ていた。
店の外はしきりと雨が降り続いている。
「では、明日も休みだし、カラオケでも行こうか!」
日本酒の(ぬるめの)燗をたらふく飲んだH君はかなり上機嫌。
カラオケBOXに入るといきなり
「まずは、八代亜紀でも唄おうかな」
(昭和か!)
それもそうだね、八代亜紀さんは一生懸命に故郷の震災の
復興支援に努めたりして、いい人だったらしい。
偉大な演歌歌手としての追悼を兼ねて。
気が付くともうH君はマイクを力強く握っていた。
雨 雨 降れ 降れ もっと降れ
私のいい人 連れてこい
(♪雨の慕情か!)
カラオケは同世代と行くにかぎるね。
昭和の男2人が懐メロソングをひっきりなしに唄って
あっという間の楽しい2時間を過ごした。
さあ、明日からちゃんと婚活しなきゃな。
歌い終わって帰り道、外はまだ雨が降り続いていた。
頭の中にカラオケの歌が残っていた。
雨 雨 降れ 降れ もっと降れ
私のいい人 連れてこい
(八代亜紀か!)
雨が降り続いたってかまわないさ。
その代わり、オイラのいい人、連れて来い!
なるべく早く 連れて来い!
(雨の慕情か!)
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