Netflix版『西部戦線異状なし』はとても良かった。旧作も観たくなるし観ましょう。 | ナツレのツレヅレなる何か

Netflix版『西部戦線異状なし』はとても良かった。旧作も観たくなるし観ましょう。

Netflixで新しい『西部戦線異状なし』を視聴しました。

 

元の1930年の映画は、第一次世界大戦に参加したドイツの若者たちの運命を描いた反戦映画として有名です。

旧版は少し前にAmazon Primeで観ました。子供の頃にTVかなにかで観て以来でしたが~これが今観ても古さをカンジさせない凄い映画でした。

 

旧作には多くの名シーンがありますが、特に印象的だったのは、「足のつま先が痛くてかなわない」「そんなはずはないお前の足は」という掛け合いシーンです。これは、主人公が負傷した友人を見舞うシーンで、友人は足を切断されていることに気づいておらず、`”幻肢痛”というものがあるのを端的にあらわしています。後の作品でも多数引用されているので抑えておきましょう(メタルギアとか・・・)

なお、意外なことにこのシーン新版では踏襲されず、別の演出になっていましたのでネタバレにはなりません。

 

 

さて、今作の『西部戦線異状なし』ですが。

冒頭いきなり戦場に放り込まれるつくりが今っぽいとカンジました。

映像としても現代版なのでサン・シャモン戦車が塹壕へ攻め寄せてくるシーンなどかなりのディテールで再現されています。この鉄の塊が少しずつ弾丸を跳ね除けながら迫ってくる絶望を掻き立てられる演出は必見です。

 

ただ、新作では旧作にあった学校時代や訓練所などのエピソードがカットされています。そのため、パウルや友人たちのキャラクターや背景があまり描かれず、彼らが戦死するシーンも感情移入しにくく感じました。

新作はウェットで感情的な描写が多く、旧作はドライでリアルな描写が多かったという印象です。これはアメリカ映画とドイツ映画の表現の違いもあるのかもしれません。

また、新作では主人公の話とは別に講和へ至る政治シーンの描写が追加されています。旧作はあくまで一般兵士目線の話だったのに対し、新作はドイツの政治家なども登場し第一次世界大戦の和平交渉に関する俯瞰的なエピソードが盛り込まれています。個人的にとても興味をそそられる内容で楽しめましたが、人によっては余計と思うかもしれません。

ただし、主人公の最期を際立てる演出に繋がっていますのでその点は上手くまとめられています。

 

同じ題材ですが、かなり仕上げというよりは調理方法自体が違っているので、まったく別の作品のように感じます。どちらも良い出来なので、新旧両方視聴されることを強くおすすめします。

 

蛇足として~旧作の西部戦線異状なしですが

コマ落ちしているせいなのか、イギリス・フランス兵の突撃シーンが、突如接近して来る感覚がメチャクチャ怖くて迫力がありました。

これは『マッドマックス 怒りのデスロード』を観たときの感覚を彷彿とさせられたのですが・・・そんなのは私だけ?

いやいやちょっと、実際に観てみてくださいませ~。

 

 

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