がちゃ三毛庵~猫よ、花よ~

東京の一角。ご近所から次々合流してきたネコたちと暮らす・・・いけばな徒然日記

ネコのふり見る中年女のメール文通

2016-09-14 | Weblog
排気ガスとタバコの煙をまき散らしながら、元気イッパイ仕事に精を出している柏の旧友から近況メールが届いた。
すっかりお馴染みになった妙齢な域に達してきた友人は、相変わらず二本足のオスには非常に手厳しい。
生きとし生けるモノすべてに対して慈悲深いワタシとは真逆の性格だと思っていただければ間違いない。
にも拘わらず、ケモノには甘い。
殿方相手にはどこから絞り出しているのかわからないダミ声だけで勝負に出るが、
猫に対しては、ダミ声にグラニュー糖をタップリ混ぜ込んだような声色で話しかけているのを目撃したことがある。
嫌われても良い相手と、嫌われたくない相手には、こうも態度が変わるものか
・・・つくづく女性は恐ろしい。

柏の友人宅にはネコの「トロ虫(♂)」と「小麦ちゃん(♀)」が暮らしております。

『りささま~こんにちは
ようやっと秋の訪れですわ~
天気図には秋雨前線が現れましたもの。

雨がちなのがちょいとウザったいものの、この涼しさは本当に有り難い!
夏の間はエアコンを嫌い玄関で寝ることの多かったトロ虫も、この2日ほどは夜11時ともなると、そそくさとベットへ向かい、猫のくせに私よりも早い就寝でございます。
たぶん、きっと、おそらく、夜中には走り回っているのでしょう。

夜中なんて何が起ころうと知ったこっちゃないですわよん。
朝のリビングにおもちゃが転がっているなどの様子で察するくらいが関の山。
わたしゃ、おもいきりスペシャルな熟睡を堪能させていただいております。

最近の小さな悩み、、、
ウチのお嬢様。麦ちゃんが太ってしまったのよ。
こんなになっちまった。

「親方」って呼ばれてます。

そして、
親方の態度が大きすぎる!
私なんぞはまるで付き人のごとくよ。
朝は5時から親方の「飯出せ~」の襲撃で始まるのよ。

キッチンでニャ~と鳴けば「はいはい ごはんですかぁ~」とカウンターに乗せてさしあげ・・・
(ダイニングチェアをつたって自力で登れるほずなのに) 
洗面台の前でニャ~と鳴けば「はいはい お水なのね」と洗面台でお水をチョロチョロ流してさしあげ・・・
(風呂場には洗面器のお水がはってあるのに)
朝晩の要望だけで どれだけこき使われているのか。
たぶん1日10回じゃきかないわよ。
鳴けば来るであろう!ってインプットされてるみたいだから何度でも鳴く!

はじめの数回は可愛らしい声で呼ばれるのだけど、ちょいと遅れようものならコブシが効いた声に豹変よ。
もっとヒドイ時は、リビングで寛ぐ私を呼びに来て「はやくしなさいよ」とばかり鳴きわめく。
で、立ち上がった私を先導するように目的の場所までノッシノッシと、それはそれは偉そうに(見える)歩く。

ここの住人となったころの可憐なちいちゃな子猫ちゃんはどこへいってしまったのぉ!?

(2014年12月のご様子)
猫のオナゴも2年もすれば、こんなにもふてぶてしくなるんだわね。
ってことは50年も生きた人間のオナゴが上限無くふてぶてしくなれる理由もわかる気がする(笑)
・・・後略』

久々に失笑した。しかも、時間が経つにつれて、笑いがこみ上げてくる寝姿である。
「ライオネス麦」とかに改名した方が良いのではないか。

しかも、この飼い主は、かなりの「スリム体型」なのである。
決して飼い主に体型が似てきているわけではない。
しかし性格は麦二つ・・・瓜二つなのかもしれぬ、と思うと、更に可笑しい。

他人様が精魂込めてお育てになられた「どすこい」を笑っている場合でもないので、早速、格調高いハートフルなお返事を差し上げた。

『ご機嫌麗しゅう。
モリモリとお育ち遊ばされたお嬢様がご健勝で何よりのことと存じております。
飼い主さまに似て、相当、肝も座っておられるかとお見受けいたします。

貴メールを拝読させていただいておりますと、やはり体型は似ずとも、一緒に暮らしているニンゲンとネコは性格が似てくるものだと、しみじみ納得いたしました。

自由気ままで横暴なふるまいの親方ちゃんと比べては何でございますが、
こちらの女子は、飼い主の奥ゆかしい性格が移ってしまっているようで、決して、ワーワーとワガママを申しません。
特に雨音がサラサラと聞こえてくる明け方になりますれば、
静かに目を覚まし、
そっと人間の足元に、朝露ならぬ朝シッコでお湿りを与えます。
その後は一言も発せず、その場を立ち去ります。

寝返りを打ち、足元が冷たいのでビックリして目を覚まし、足と布団のニオイを嗅いでガックリする飼い主を、そっと扉の陰から見守るのです。
お蔭様で、すでに綿の布団セットは大型ゴミと化し、
現在の敷布団はポリエーテルエステル系繊維。
荷物のクッション材みたいなモノの上で寝ている有様でございます。

シーツはモチロン、介護用の染み込まない仕様のものを愛用しております。
それでもシーツは臭くなりますゆえ、目覚めてからのニンゲンは洗濯物が増え、片付けモノが増えるため忙しく、ナカナカ猫どもの要望を叶えて差し上げられません。

さらに、朝から用事が多い飼い主を見守り、朝シャンをしている間に、着替えようと思って出しておいた洋服にチョロリとシッコを染み込ませてみたりする作戦に移行する輩もおられます。

シッコ染み込み洋服を知らずに着てしまったために、もう1度、シャワールームに入り直す羽目になると、ニンゲンは出勤時間に間に合わない・・・という事態に発展します。

玄関に出しておいた布製バックが臭くなっていることを電車の中で気づいたこともございます。
悲惨です。
電車内ではニオイをまき散らさないよう、そっと上着でくるんで凌いだため、上着までが臭くなり、オフィスのトイレで洋服とバックを洗うことが朝一番の仕事になったこともございます。

そちら様は猛アピールに閉口していらっしゃるかとも存じますが、
ノーアピールによる沈黙のマーキングも、ナカナカ風流でございます。

そう考えますと、
ある時は貫禄と大騒ぎで要望を通し、
ある時は何もしていないフリをして作戦を敢行する。
ネコとニンゲンの中年女は、かなり共通点が多いように存じます。

貴女様もネコのふり見て我がふり・・・でございますゆえ、お気をつけ遊ばせ。
因みに、奥ゆかしいところは共通点がございますが、ワタシは他人様の持ち物にコッソリ シッコはいたしませんので、その点は誤解なさらぬよう。
小学生のころ、誤解を受けて「たれ子」というあだ名がついたことを思い出しました。

どうぞ、ごゆるりと秋をお楽しみくださいませ。オホホホ』

ところが、この3匹の茶トラは男女を問わず平和で穏やかな性格。
誰かが争いを持ち込まない限り、決して自分から戦闘をしかけることもなく、破壊工作もせず・・・。

(みたらしチャン♂)

(つくねチャン♂)

(くるみチャン♀)
猫たるもの、全員「トラ」は遺伝子に含まれているはずなのですが、原種の方がシンプルで、色が混ざると性格も複雑に進化しちゃうのかもしれません。
これからも、どんなトラブルにも即座に対処できるよう五感を研ぎ澄まして暮らしてゆこうと思います。



(マカロニ&ポテチ)


本日もご笑覧ありがとうございました。



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