日本で最も誹謗中傷を受けたアーティストASKAの心境を映す歌 | ただひたすらCHAGE and ASKA

日本で最も誹謗中傷を受けたアーティストASKAの心境を映す歌

過去のテレビ、ラジオ、新聞、電話、手紙。
現在のYouTube、TikTok、Twitter、インスタ、ネットニュース、ブログ、Facebook、LINE・・・。
ここ10年ほどで情報取得、情報伝達の手段が増えて、大きく変わりました。

それとともに、誹謗中傷が話題になることも大きく増えました。
今月、青汁王子や中日ドラゴンズ福敬登投手への誹謗中傷がニュースとなりました。
ASKAさんも青汁王子の件については、遺憾を示すツイートをされていましたね。

私は、2年前の木村花さんへの誹謗中傷を思い出してしまいました。

 

 


ASKAさんは、2014年の事件以降、数多くの誹謗中傷にさらされてきました。
この10年間の日本で最も誹謗中傷を受けたアーティストと言っても過言ではないでしょう。

それでも、鮮やかに復活を遂げ、全国の大規模会場でコンサートを開くまでになりました。

そこに至るまでのASKAさんの心境はいかなるものだったか。
ASKAさんは、2016年以降、数々の楽曲でその心境を明かしてくれています。
ここでは、そのうち、YouTubeに上がっている代表曲3曲をご紹介したいと思います。

まずは坂本龍馬の言葉「人の世は我を何とも言わば言え 我成すことは我のみぞ知る」とともにアップされた「しゃぼん」。

しゃぼん


底知れない孤独を歌った名曲です。復活時のアルバム『Too many people』に収録となりました。
あの事件後、世間からいわれのない誹謗中傷を受け、マスコミの偏向報道や周囲の一方的な誤解から閉鎖病棟に強制入院となったASKAさん。

そのときに制作したそうです。

詳細は、以前『空色のハーモニー』でレビューさせていただきました。

 

 


おそらく、あのどん底の状態でなければ作れない、鬼気迫るメロディーと歌詞です。それをASKAさんが、絶唱で表現してくれています。

他のアーティストには絶対に作れない、孤高の名曲ですね。

 

 


その後、復活後、2作目となったアルバム『Black&White』のタイトル曲。

Black&White


人を鍵盤の12音にたとえ、その調和こそが人間関係を左右することを説き、中国の思想『陰と陽』に関連付けた壮大な楽曲です。

『空色のハーモニー』でのレビューはこちら。

 

 


この楽曲制作時のASKAさんの心境は、ASKAさんのブログに残っています。

 

 


自らを誹謗中傷してくる人たちは、自分とは意見も価値観も全く合わないのだから、仕方ないよね。
そんな境地を歌ってくれています。

調和する人は、何も語らなくとも自らの言動を理解し、ずっと味方でいてくれる。しかし、調和しない人には、どれだけ心を込めて接しても、簡単に裏切られてしまう。
だから、そんな世の中を冷静に見極めながら、調和する人との出会いに感謝しつつ、共に過ごす道を選びたい。

 

 


それを発展させたのが2021年に発表となった「笑って歩こうよ」でしょう。

笑って歩こうよ


生きている中で、誰しも必ず批判にさらされるときがあります。
ASKAさんは、そんなときでも、悪い噂なんて無視して「笑って歩こうよ」と歌っています。

『空色のハーモニー』でのレビューはこちら。

 

 


コロナ禍で世界中が満遍なく沈んだ今、他人からの誹謗中傷なんて、ごく些細な出来事にすぎない、という達観にたどり着いたのでしょう。

 

 

 


以前、清木場俊介さんは、ASKAさんの歌を「人生が見えてくる」と称えていました。
この3曲は、ASKAさんが数多くの誹謗中傷を受けながら、人生の中でどうやって乗り越えてきたか、を如実に示す作品ですね。

SNS全盛時代の中で、この3曲の存在感は、年々増していくことでしょう。