Chage新曲「そういうひと」レビュー | ただひたすらCHAGE and ASKA

Chage新曲「そういうひと」レビュー

今日は、2022年7月6日に配信開始となったChageさんの新曲「そういうひと」レビューです。

Chageさんが新たなライフワークとして今年から始めた『Chageのずっと細道』ツアーのテーマソング!
『Chageのずっと細道』は、かつてChageさんが全国津々浦々を回っていたアコースティックライブツアー『Chageの細道』の進化版です。

静のChageがこれからもずっと見られる、ということで、私は、楽しみで仕方ありません。動のChageと同じくらい静のChageも好きなので。
Chageさんは、「終章」や「嘘」に代表されるように、若い頃からスローテンポサウンド作りの名手ですからね。

「そういうひと」は、巷では配信シングルと呼ばれるものですが、今回、Chageさんの新曲は「シングル」という言葉を一切使ってないですね。

今後、シングルやアルバム、ミニアルバムといった概念は、なくなっていくのかもしれませんね。




「そういうひと」レビュー

コロナ禍でChageが始めたオンラインファンミーティング。
熱心なファン1人1人とChageが直接会話する新しい企画は、Chageの音楽に大きな影響を与えたようだ。

「そういうひと」は、「ファンの日常を垣間見ることができたという初めての体験から感じた思い」(MUSIC GUIDE)を元に制作している。

この曲を初めて聴いて感じたのは、日常に寄り添ってくれる人への感謝だ。
そして、かつてChageが発表した「waltz」が脳裏に浮かんできた。

思えば「waltz」も、温かく優しいサウンドで、日常に寄り添ってくれる人への愛を歌い上げていた。
そして、「waltz」と「そういうひと」は、詞に共通点もある。

「この道を」という共通の詞が出てきたり、空を見上げるシーンも共通していている。繋がりを感じるのだ。

「そういうひと」を聴き込んでいくうちに感じるようになってきたのは、Chageの仕事上の苦悩と、日常の安らぎである。

我々が日々直面している仕事や学校での苦悩と、余暇の安らぎ。この曲を聴いて、多くの人々が共感できてしまうのは、きっとそれらと同種の心情が伝わってくるからだ。

Chageと澤地隆による、苦悩と癒しの詞は、『そういうひと』がいつも寄り添って余暇の安らぎを与えてくれる人を思い描かせてくれる。

『そういうひと』は、人によっては家族であったり、恋人であったり、親友であったりするだろう。
加えて、Chageの歌唱からは、ファンミーティングでChageに新たな楽しみを与えてくれたファンたちへの想いがこもっているように感じられる。

詞に登場する「少しばかりの むずかしい日々」と「君といるのはとても簡単」は、真逆の対比を見せている。

つまり、仕事や学校では、様々な人々と関わらなければならないから、思うように事は進まない難しさに直面し続ける。

しかし、自らを理解して寄り添ってくれる人と一緒にいるのは、まるで大好きなカレーライスの香りに包まれているように、簡単なことなんだ。

Chageが望む理想の日常が、この楽曲には溢れんばかりに詰まっている。

日頃は、自らの想いをインタビューではほとんど語らないChage。
しかし、Chageの秘めた想いは、音楽家としての使命を果たすかのように、自らの楽曲の中で語り続けている。

生粋のシンガーソングライターであるChageの誇りが垣間見える名曲である。