東日本大震災から12年ひとまわり 歌は当時を記録する | ただひたすらCHAGE and ASKA

東日本大震災から12年ひとまわり 歌は当時を記録する

今日、3月11日は、東日本大震災からちょうど12年。
干支でいうと、ひとまわりということになります。

風化させてはならないと感じつつも、当事者ではない私にとっては、普段はやはり忘れて暮らしてしまいます。
個人でできることは限られてはいますが、できうることはこれからもやっていきたいと考えております。
未来に向けて、備えと警鐘はずっとやり続ける必要がありますしね。

震災の日になると必ず聴いているのがChageバンドのメンバー西川進さんが制作した「3月のタンポポ」。癒しと希望をもたらしてくれる名曲です。
作曲:西川進、作詞:松井五郎、歌:Chage、村上啓介、久松史奈、Cheriという豪華版です。

ChageのOTOMODACHI大作戦「3月のタンポポ」


あの年の歌でよく思い出すのは、長渕剛さんが紅白歌合戦で石巻小学校から歌った「ひとつ」。
私の中では、長渕さんの最高傑作だと思っています。
被災者の立場から亡くなった人々に想いを寄せ、さらに未来に向かって日本人すべてがひとつになって力強く生き抜こうというメッセージがこもる鎮魂歌です。

長渕剛「ひとつ」


ASKAさんも、震災の年に2曲の新曲を制作しています。
「歌の中には不自由がない」「朝をありがとう」です。
当時は、「歌の中には不自由がない」に防波堤安全神話・原発安全神話への不信が感じられて記憶に残っていたのですが、今は「朝をありがとう」の方に魅かれます。
毎日、平穏に訪れてくれる朝に感謝を込めた歌で、当時、日本が暗く沈んでいるからこそ、ささやかな幸せのありがたみを爽やかなポップスに包んで届けてくれています。

ASKA「朝をありがとう」


そして、Chageさん作詞作曲の震災を感じさせる楽曲といえば「TOKYO MOON」です。
原発事故の影響による節電で、灯りが消えた東京の街。そこに寂しさよりも、夜空に月がくっきりと見えるようになり、星もきれいに見えるようになったところにささやかな幸せを感じて、未来を照らしていると前向きにとらえる想いを描いています。

Chage「TOKYO MOON」


こうして見てみると、東日本大震災からどれだけ年月が経とうとも、歌は、当時の状況、気持ちがそのまま記録されていて、当時へ一気に引き戻してくれます。


聴いているだけで、当時の光景が鮮やかに蘇ってくるんですよ。わずか数分の歌なのに。
音楽の力は絶大ですね。


実際の被災時には、音楽は無力と言われがちですが、人々の心を救い続けるという意味では、長期的には最も大きな力を持っているのかもしれません。