本日の本会議で私ども新政みえが提出した小林貴虎議員に対する辞職勧告決議案が22対23で否決されました。現在、三重県議会議員は49人、採決に議長と小林氏本人は加わらないため47、公明党2名が退席し、自民党と草莽会派の反対で否決されました。

 

今回の問題は小林議員が10月2日に「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだという分析が出ている」とツイートしたことから始まりました。非公開の講演内容を主催者の許可なくSNSに投稿、拡散させ、投稿内容の情報源は現職大臣の発言と責任転嫁しましたが、大臣はこれを否定しました。その後小林議員は発言を撤回し謝罪されました。

 

私たちはこのような虚偽の行為で県内外に大きな混乱を招いたことは、政治倫理に関する条例に規定する、品位と名誉を損なう行為により、県民の議会に対する信頼を損ねており、政治倫理基準に反していると考えます。

 

またその投稿内容は、特定の国や人々に対して差別や偏見を助長する内容であり、差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例の趣旨にも反する行為であると考えます。

 

小林議員は令和元年に特定の国や人々を揶揄するツイートを行い、謝罪し、当時の中嶋議長が「一部の国や民族、特定の国籍の外国人らを排斥する不当な差別的言動は決して許されるものではない」と声明を出しました。令和3年には同性カップルの住所を無断でツイッターに公開し、人権に関わる直接的な被害者を生み出しました。当時私は新政みえ代表として、この人権侵害問題に対応しましたが、小林議員が被害者に直接謝罪したことから、辞職勧告決議案の提出には踏み込まず、代表者会議にて、次に同様の問題をおこした場合には議員を辞めていただくと申し上げた経緯があります。

 

私は、選挙で選ばれた議員の身分は重いものであり、県民が選挙で判断するもので、議員辞職勧告を議会が行うことは極めて慎重であるべきとの考えを持っています。しかしながら、小林議員が初当選以来この4年間での再三に渡るこのような振る舞いは許されるものではなく、流石に今回は会派として、長い県議会史の中でも昭和57年以来2回目となる不名誉な辞職勧告決議案の提出を決断しました。

 

私たちの主張が否決されたことは残念な結果となりましたが、来春の県議会議員選挙にて津選挙区の有権者の皆さんの判断に後は託したいと思います。

 

物価高騰対策や、送迎バスへの園児置き去りの痛ましい事故を受けて県内の送迎バスの安全対策などの補正予算約30億5千万円が本日上程されました。本来このような政策の審議をしっかり行う所が議会です。議員の資質に欠ける人が選挙で選ばれてくると議会の重要な議論の妨げになります。あらためてそのことを感じた一日でした。