【10/27】
仕事から帰って風呂場に行くと、珍客がいた。ゲジゲジである。そこまで大きくはない。
8割の方は、このままシャワーで流してしまうだろう。残り1割は逃がしてあげるかもしれない。
そして最後の1割は、飼育するのである。私は最後の1割だ。
取り敢えずケージに腐葉土を敷き詰め、餌をやってみた。
まずは人工飼料のレプトミンと淡水魚の餌だ。
食べるだろうか。
【10/29】
二日後、残念ながら食べなかったので、ワラジムシを放ってみた。
元々はサンショウウオのために購入したワラジムシだが(たまに亀も食べる)、彼がレプトミンに餌付いてしまい、余っていたので、丁度良い。
獰猛そうに見えるゲジゲジなら即刻食い付くだろうと高をくくっていたが、その期待とは裏腹に食べない。
目の前をワラジムシが通過しても無反応。大人しく共存している。
【11/5】
一週間経過。試しに煮干しを置いても食べなかったが、目を懲らすと煮干しの右方向にワラジムシの死骸が見える。
煮干しを撤去し、改めて観察すると、左下の方にワラジムシの死骸があり、ゲジゲジは右上で寝ていた。
ワラジムシには穴が空いており、何者かが食べたと推測できる。
ワラジムシが変死しても穴は空かないからだ。
捕まえてから十日で、どうやらワラジムシを食べたらしいことは確認できた。
しかし、捕食したのか、変死した死骸を漁ったのかは、定かでは無い。
【11/9】
それから数日経過しても、ゲジゲジがワラジムシを捕食する姿は確認できない。
しかし痩せること無く、元気であった。
霧吹きは2~3日に一回していたが、それ以外は保温もせずに放置していた。
【11/27】
イマイチ、何を食べているか分からないまま、今度はレオパゲルを与えてみた。
しかし食べない。
我が家に来て丁度一ヶ月経過したが、当の本人は元気でツヤツヤしている。
元気そうだから、このまま観察しよう。
【12/9】
更に12日経過し、しかし弱ることなく元気にしている。
付近をワラジムシが歩き回っていても相変わらず無反応だ。
一ヶ月以上同居し気が付いたことは、ゲジゲジは非常に神経質だ。
人の視線を感じると、まず餌は食べない。
湿気を好み、ケージ内が結露していても元気である。
【12/23】
二週間経過し、ケージを見てみると、ワラジムシがワラジムシの死骸を食べていた。
ワラジムシは共食いしないが、死んだ仲間は食べる。
死んだワラジムシの死因は謎である。変死か、ゲジゲジが食べたのか・・。
・・と、次の瞬間、ゲジゲジがワラジムシの死骸を食べたのであった。
飼育を始めて、約二ヶ月経過し、ようやく食べる姿を目撃したのである。
しかし、カメラを向けた途端、私の気配を警戒し、傍を離れてしまった。
結局、捕食していたのか、死骸を漁っていたのかは謎であるが、ワラジムシは食べるようであった。
【12/24】
餌を食べると少し仲良くなれたと錯覚するものだ。
クリスマスイヴと言うこともあり、私はゲジゲジにシェルターをプレゼントした。
しかし、これが間違いであった。
これが原因となり、私は奴と永遠に別れることになるのだ。
【12/27】
奴の飼育を始めて丁度二ヶ月経過した。しかし、奴がいない。腐葉土を掘り起こしても見付からない。
正確に言うと、シェルターを設置した翌日辺りから姿が見えなかったが、てっきりシェルターの下に潜っているであろうと思い、放置していたのだ。
信じられないことだが、どうやらあの小さい通気口から脱走したらしい。
ゲジゲジはツルツルした壁は登れないが、シェルターの上に上がり、通気口までの距離が近くなったことにより、脱走を可能とした。
にわかには信じがたいが、足が長いので大きく見えるゲジゲジでも、意外と胴体は細い。
その細い胴体なら、あの通気口も通れるであろう。ちょっと突っついただけで取れてしまいそうな長い足は、どうやら器用に折りたためるらしい。
ちょっとした私の気まぐれで、このような事態が起こってしまったのである。
思い返してみると、奴は勝手に私の自宅に侵入してきた。
故に勝手に出て行ったのであろう。
所詮は虫。感情など無い。穴が空いていたから出て行ったのだ。
まだ我が家にいるのか、外に出てしまったのか、確かめるすべは無い。
奴と過ごした二ヶ月は、まるで幻のように、夢のように、儚いものであった。
こうして奇妙な共同生活は、唐突に終わったのである。
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