10月の読了本です。
どれも面白かったですが、印象に残っている作品をいくつかピックアップします。
婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》
マッチングアプリで知り合って結婚することになっていた婚約者の女性が突然疾走する。
辻村作品ですのでミステリーっていうことはないんだけれど、疾走した真美を探す西澤架を描いた章と、疾走後の真美を描く章があって、ついつい引き込まれてしまう。
そして読んでいてとっても苦い気持ちを味わうことになる。
人の心の中にはいつも傲慢さとそれと同じように自信のなさが巣くっている。
分かっちゃいるけど見たくないそんな自分の深淵を見せつけられる小説です。
婚活中の人にはドンピシャかもしれないけれど、婚活に限らず生きていくどんな場面にも起こりうるそんな感情。
善良さは同時に残酷な身勝手さなのかもしれない。
後味が悪くないのが救いです。
祇園宵山の京都で、誘い込まれた妖しい迷宮。夏までの期間限定サークル「祇園祭司令部」に集まった学生たち。変人ぞろいの彼らが用意した大舞台、いったい何をたくらんでいるのか?(「宵山劇場」)。「祇園祭宵山法度」で現行犯逮捕。連れ去られた藤田の地獄めぐりがはじまった……(「宵山金魚」)。吃驚仰天の新世界! 6つの物語が交錯し妖しくつながっていく連作中篇集。
『きつねのはなし』ですっかりクセになってしまった森見作品。
読みやすそうなこれを選んで読んでみました。
どの話もめっちゃ好き。
祇園宵山をめぐる幻想的なお話です。
私は京都に縁がないけれど、京都をよく知っていたらもっともっと読んでいて高まるんじゃないかなと思う。
笑っちゃうような話もあるけれど、ちょっと妖しくて怖い話もある。
今年もあと2か月を切ったのであと何冊読めるかなあという感じですが、
まあ大晦日まで頑張ります。