プロデュース会社代表中道諒のブログ

プロデュース会社代表中道諒のブログ

ブライダルプロデュース会社の代表。
夢、仕事、家族・・・、大切なものを求めて陽のあたる場所を探す人生の旅とそこに流れる優しい時間。

失敗から立ち上がり、今を生きてる。
だから意地はってポジティブに生きてみよう・・・なんて想う。
でもそこには優しい時間が少しでも流れればいいなぁと思います。
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遮光 / 中村文則

どんな結末が待ってるんだろう・・・。


あまりにもピュアなその男の生き様に僕は心酔し、
頁をめくる度に心奪われていく。


9章のあたりからは、
もはや中村文則さんと対峙しているようでもあった。

この男が嫌味のように使う「典型の幸せ」は、
僕らが日常で呪縛のように支配されているもの。


そこに向かうのか、そこを閉じるのか・・・


想像した中で最も破滅的な結末を読んだとき、
この人の他の作品を早く読んでみたいと思った。




破天荒フェニックス / 田中修治

ビジネスコーナーの本を読まない僕が珍しく買った。

最初の数ページの書き味がとても心地良くて、
痛快なノンフィクション感に購買意欲をそそられた。


でも・・・
ワクワクと読み進めたのは100頁くらいまで。

僕はすぐに行き詰った。


頻繁に登場する試練に、
僕は平静を装えなくなってきていたんだ。


頁をめくる度、息苦しくなり、動悸が激しくなる。
これを痛快絵巻だとはとても思えなくなっていた。


自然とこの本は書架にしまわれ、積読に。


それがコロナ禍による余暇の中で
書架からこの本を再び取り出す事になった。


数か月ぶりに頁をめくる。


僕の息苦しさは相変わらずだ。
少し読めば、夜にイヤな夢まで見るようになった。


僕のような小さな自営業と田中社長がしているグローバルなビジネスとは明らかに規模が違うのに、なぜか強烈に感情移入してしまう。


全てを読み終えた今も、正直スッキリしない。


それでも不思議な事に、
とても素晴らしい本だったとも思えるのである。


身体で体感するような読書は初めてかもしれない。

ノンフィクションというジャンルに、
僕は少し傾倒してしまいそうである。





午前0時の忘れもの / 赤川次郎

赤川次郎さんの本て、
高校時代に読んだ「幽霊列車」以来。

懐かしくなって「幽霊列車」とググッてみた。
だが画像検索しても僕の思い出の装丁はでてこない。

おぼろげだけど、表紙はブルーグレーの背景に、線路と電車が淡く水彩画のタッチで描かれてたような記憶がある。

何かこう僕自身の青春の匂いもして、
「幽霊列車」を思い浮かべるだけで蒼に染まるような。

さてさて、「午前0時の忘れもの」

面白くもなんともない授業だった。

冒頭のこのくだりから、
僕の脳は赤川次郎の世界に吸い込まれてゆく。

麻薬に犯されるのは一瞬だった。

会話だけで進んでゆくその文体に、
僕は懐かしい匂いを感じるばかり。

やっぱり赤川次郎さんは蒼い。

死者が現れる、というファンタジーの世界。

あり得ない事がとてもナチュラルに描かれてて、
読み終えた後の心地よさは格別だった。

次は懐かしい「幽霊列車」を読んでみようかな。

あの頃の装丁で。







北北西に曇と往け / 入江亜季

僕はこの人の絵に目がない。

特にこの「北北西」は、
ダンディズムに洒落た感じがたまらなくイイ。

そして、ジムニーが欲しくなる。

主人公の御山慧の生き方がステキだから、
そういう部分にも憧れる。

絵もイイ、生き方もイイ。

素晴らしい本との出会いに感謝。

ダンツァ / オノナツメ

ちょっと時間が空いた時、
雑誌や写真集を見るようにダンツァを手に取る。

お洒落なポストカードに小粋な言葉が書かれてある。

そんなイメージだ。

僕は2人の息子を持つ父親。
だから、ダンツァの世界はとても心地イイ。

やっぱり僕は「長靴」がイイかな。

海外風の絵なんだけれど、
内容は純国産の典型的な昭和オヤジ。

そんな昭和オヤジをオノナツメが描くと、
小粋でスタイリッシュになるんだから面白い。

何度も読める1冊だ。