オヤジ探偵物語 行方調査シリーズ〜正義とは〜 第四話「偽装」 | オヤジ探偵の独り言~山口県宇部市在住、探偵社全力雇われ探偵の私が送る何気ないエピソード

オヤジ探偵の独り言~山口県宇部市在住、探偵社全力雇われ探偵の私が送る何気ないエピソード

★調査エリア★
山口県防府市・宇部市・山陽小野田市・山口市・周南市・下松市・光市・柳井市・美祢市・長門市・萩市・下関市・岩国市など山口県下全域
★調査項目★
素行調査・浮気調査・行方調査・ストーカー調査・嫌がらせ調査など

テーマ:

皆さん、こんばんは


この度も引き続きオヤジ探偵物語 行方調査シリーズ〜正義とは〜 第四話「偽装」をお送り致します


今回の調査対象者様である、高校一年生16歳の長女、神代 由衣(くましろゆい)様が冬休みを利用されてお泊まりに行かれているという、F県F市の旧帝国大学の一つでもある超名門国立K大学法学部一回生19歳の佐久間 麻里様宅を訪れるも、そこは新築工事中の入居者はまだ誰一人いないマンションであり、在学中とされるK大学を訪れて多数の生徒さんへ根気良く夕方まで聴き込みを行うも、やはり佐久間 麻里様に繋がる手掛かりを何一つ見付けられずにいた私達の前へ突如、F県警N署所属と名乗る警察官4人組が現れる。


ミニスカート姿の可愛らしいお嬢様ばかりに怪しい聴き込みを繰り返す、しがない雇われオヤジ探偵の私は不審者と勘違いされてしまい⁉︎、確かに不審者そのものなのだが…、多数の110番通報された事を受け罪状多数の上、N署へ連行されてしまうのであった…。


「オヤジがまたこの前みたいに、痴漢か何かをやらかして、F県でもポリさんに連れてかれちまったぞっ!


どうするよ、ママ?」と、今までにも山口県で何度か経験済み⁉︎ではあるが、困難な様相を呈する由衣様捜索を今後、私抜きでどう進めるべきか全く思い付かない、我が息子18歳のY助手。


「ま〜たあいつは…、自業自得でしょっ!


重罪人と仲良く、辺境の刑務所にでも一生入っていればいいのよ!


この恥晒しが…。」と、普段からあ〜言えばこう言うタイプの口減らずで、ひろ◯きさんの如く論破王を自称する目障りな私が合法的にようやく目の前から居なくなり、心底清々したご様子の愛すべきY女史。


「仕方ないわね…。


現状を包み隠さずお母さんの早苗さんにお知らせして、今後どうすれば良いのかみんなで考えましょう。」と、決して的外れではなく、良い方向へ軌道修正しようと試みる、なかなか優秀なY女史。


「お母様の神代 早苗様でしょうか?


探偵社全力の代表Yです。


お仕事中に大変申し訳ございませんが、緊急事態のためご連絡差し上げております。


結論から申し上げますと、由衣様の親友とされる佐久間 麻里様はおそらく実在しません。


順を追ってご説明しますと…。


佐久間 麻里様がお住まいのマンションは現在も新築工事中で入居者はまだどなたもおられず、K大学でも今まで何時間も聴き込み致しましたが、それらしき人物を知る方は全く見付かりませんでした…。


ちなみに、今年度行われた法学部一回生の入学式で新入生代表をされた男性とたまたまお話致しましたが、佐久間 麻里様というお名前の女性は一回生には在籍していないと、はっきり証言されております。


また、お恥ずかしいお話で大変恐縮なのですが…、弊社営業担当の夫が大学生の女性にしつこく聴き込みを繰り返していたため先程、F県警のどこかの警察署へ連行されてしまいました…。


という事で、こちらでは現在、由衣様捜索の手掛かりが全くなくなり、これ以上お役に立てない状況になっております。


そもそも佐久間 麻里様という実在しない女性にお会いするために、短い冬休みを利用してまで、わざわざお嬢様の由衣様がF県へなぜ行かれているのか、そして佐久間 麻里様とされる方が本当に女性であるのかどうか、更に由衣様はなぜ偽りの滞在先をお母様の早苗様へお伝えしているのか…。


その全てを考慮した上で総合的に判断した結果、山口県からF県までわざわざ由衣様が行かれた本当の理由の核心に今から迫ります…。


おそらく由衣様は昨年、マッチングアプリなどの類いでたまたまお知り合いになった、お若いイケメン男性に心惹かれ、お二人は山口県とF県という遠距離恋愛のため思うように会えず、また普段からお勉強ばかりされていても将来の確固たるビジョンが見えず、日々不安が尽きないという学生特有のマイナス思考も重なり、そして思春期にありがちな愛する誰かと片時も離れたくないし、自分の胸の内を相談して少しでも楽になりたいという、相手にすがる強い欲求が日増しに強くなってしまったのではないかと思われます。」と、あくまでも冷静に話を進めようとするY女史。


「ちょっと待って下さい!


私は佐久間 麻里さんと携帯電話で何度もお話してるんですよ!


その時の声は間違いなく、若い女性のものでした!」と、少々声を荒げ、感情が昂るお母様の早苗様。


「早苗様、実は携帯アプリでボイスチェンジャーという、電話越しの声を自在に変更出来るアプリがあるんですよ。


現在ではかなり知られたアプリですので、高校生の由衣様ならきっとご存知のはずです。」と、冷静さを崩さないY女史。


「マッチングアプリとかいうのも18歳以上しか利用出来ないとか、そういった制限が確かあると思うんですけど…。」と、声のトーンが次第に弱くなる、お母様の早苗様。


「早苗様、マッチングアプリなどあくまで自己申告に過ぎませんし、18歳以上であると虚偽の申請をする事など容易いんですよ。」と、早苗様を完全否定する、少々やり過ぎ感が否めないY女史。


「私は一体どうしたら良かったの…。


今でも由衣を信じてあげたいけど…。」と、ついに堪え切れず、早苗様は声を挙げて泣き出してしまう…。


「私に幾つかご提案があります。


今まで知り得た情報を山口県警U警察署生活安全課の担当警察官へ至急お伝えした上、お嬢様の由衣様所有の携帯電話端末の最終位置情報・移動履歴・通話履歴、そして親友とされる佐久間 麻里様の携帯電話番号からは所有者特定などをド◯モやa◯などの通信キャリアに対し、山口県警から急ぎで開示請求を打診して貰えるようにお願いして欲しいです。


はっきり申し上げまして、お嬢様の由衣様が何らかのトラブルに現在巻き込まれている可能性を否定出来ませんし、親友の佐久間 麻里様を名乗る男性かもしれない方が本当にまともな人である保証も全くありません。


また、仮に親友の方がまともな人であったとしても、由衣様と二人でお出掛けされている際、第三者の思わぬ介入による何らかのトラブルに、意図せず遭遇してしまった可能性もあります。


言い過ぎかもしれませんが、F県F市へ本当にお嬢様の由衣様が現在行かれているのかどうかさえ分からない事から、親友とされる方の入れ知恵か何かにより、由衣様が最初から全て嘘の内容をお母様の早苗様へお伝えされている可能性さえあります。


以上の理由より、山口県警U警察署にて由衣様捜索への再度の協力要請をお母様の早苗様に至急お願いしたいと考えております。


それと身勝手なお願いではありますが、F県警のどこかの警察署で拘束中の夫を今回だけは何とか穏便に済ませて頂けるよう、そして早急に現場へ復帰出来るように早苗様から山口県警へお力添えをお願いして貰えないでしょうか?


あれでも、優秀な調査員の端くれですので、いざという時に必ず最大戦力になってくれるはずです!」と、拘束中の私の事も少しは気にしてくれる、意外に思いやりのあるY女史。


「全て分かりました…。


Yさんのお話をお聞きしていて、十分あり得る事だと私も思いますので、今からお仕事を早退して至急U警察署へ向かいます!


もちろんご主人の事もちゃんとお願いしておきますので、ご安心下さい。」と、ようやく声に明るさを取り戻す、お母様の早苗様。


「いつも通りのあいつだったら、何らかの思惑があって、わざとF県警に捕まるように仕向けたように思うんだけどね…。」と、さすがに長年連れ添うだけの事はあり、本当はあまり心配していない様子のY女史の顔にもようやく笑みが浮かぶ。


「ママ、その様子だと上手くいったみたいだね。


ここからがいよいよ本番って事か…。


ところで、オヤジは大丈夫なんだろうか?」と、不安な気持ちをグッと押し殺し、毅然とした態度を貫くY助手。


「いつもの事でしょう?


あなたのパパなんだから、きっと大丈夫よ。


それよりお腹空いたね…。


せっかく久しぶりにF市へ来たんだから、名物の博◯ラーメンでも食べに行きましょうよ。」と、F県入りして起こった数々のイレギュラーな出来事にも全く動じず、相変わらずの大物っぷりを発揮する、そんな強がりさんなY女史なのであった…。


次回、オヤジ探偵物語 行方調査シリーズ〜正義とは〜 第五話「反転」も宜しくお願い申し上げます