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- 登録ID
- 2090716
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- タイトル
極楽浄土にあこがれて
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- 紹介文
- このブログでは、極楽浄土とそれに関連する仏教文化について語っていきたいと思います。極楽浄土へのあこがれは、日本の伝統のようなものですが、現代を生きる私達にも、何かヒントがあるのではないかと思っております。
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記事一覧
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- 十巻抄(じっかんしょう)
- 十巻抄は、密教に登場する仏、菩薩、明王、天を図像付きで説明したものです。平安時代後期になりますと、様々なバージョンの尊格が、様々な形で表現されるようになりましたので、これらをまとめて説明する必要が出てきました。そのため、平安時代末期にこうした図像集が編さんされるようになります。…
極楽浄土にあこがれて -
- 双六と殺人
- 現代ではあまり見ませんが、双六は人気のあるゲームでした。もちろん、現在ではボードゲームとして親しまれています。勝っても負けても、楽しいゲームのはずですが、これが殺人につながることもありましから、驚かされます。『今昔物語集』に双六で起きた殺人事件のお話があります。昔、大紀二さんと…
極楽浄土にあこがれて -
- アタルヴァ・ヴェーダ
- 密教の修法は、成就法と呼ばれますが、その分類方法は3種から6種まで様々です。代表的なものとして、災いから身を防ぐ息災法、幸福を得る増益法、相手から好かれる敬愛法、敵を倒す調伏法でしょうか。調伏法は、まさに呪術らしいですね。こうした呪法の原型となっていると言われるのが、『アタルヴ…
極楽浄土にあこがれて -
- 仁戒さんの往生
- 前回の続きです。仁戒さんは、興福寺を出るため、自らの評判を落とすことを試みます。集落の娘と結婚して、人前でみだらな行為に及びます。実際は、女に近づかず、ただ修行に励んでいました。しかし、このことも知られるようになり、評判が上がってしまいます。そこで、とうとう、ある郡司の婿になり…
極楽浄土にあこがれて -
- 仏道と大寺院
- 仏道を極めるには、やはり大寺院で修行する必要があるのでしょうか。実は、そうではないみたいです。『宇治拾遺物語』に面白いお話があります。興福寺の僧で仁戒さんという人がいました。仁戒さんの才知と学問は、お寺の中でナンバー1でした。しかし、仁戒さんは急に仏道を求める心が起って、寺を出…
極楽浄土にあこがれて -
- 青面金剛(しょうめんこんごう)とハヌマン
- 以前、庚申堂にどうして青面金剛が祀られているかわからないというお話をしました。「申」と「猿」から、猿が祀られていたのですが、それが徐々に青面金剛に変わっていきました。その理由がわからなかったのですが、村岡空氏が、ユニークな説を述べてられますのでご紹介します。氏によりますと、青面…
極楽浄土にあこがれて -
- 虚空蔵求聞持法
- 虚空蔵菩薩は、無限の智恵と慈悲を持った菩薩です。そのため、その修法は、すばらしい知恵をもたらします。それが、虚空蔵求聞持法です。虚空蔵菩薩の真言であります「ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャ マリボリソワカ」を1日1万回ずつ100日かけて唱えるというものです。合計10…
極楽浄土にあこがれて -
- 老人と牡蠣2
- 前回の続きです。老人と老婆に食べ物を分け与えることに文句を言った召使は、あるとき、釣り人とともに釣りに行きました。釣り人は、牡蠣を10個釣りあげました。すると、その召使は、釣り人からその牡蠣10個を高額で買い取りました。そして、逃がしてやりました。この召使、老人や老婆には冷たい…
極楽浄土にあこがれて -
- 老人と牡蠣
- 以前もご紹介しましたが、『日本霊異記』では、様々な善悪の報いについて述べられています。もちろん、良いことをすれば良い報い、悪いことをすれば悪い報いがありますが、ほとんどの人はその両方をしますので、複雑です。ただ、悪いことをしても、その後良いことをすれば、悪い報いから逃れることが…
極楽浄土にあこがれて -
- 月と閻魔大王
- 前回、月とウサギのお話を紹介しましたが、古代インドでは、月と閻魔大王の関係についても信仰がありました。ヴェーダ経典の中で、月にヤマ神がいると説かれています。ヤマ神は、最初の人間であるとともに、最初の死者でもあります。最初の死者であるため、あの世を支配するのです。そして、このヤマ…
極楽浄土にあこがれて -
- 月の中のウサギ
- 現在はあまり聞かなくなりましたが、以前は、月にウサギが住んでいて、モチをついているといわれていました。月とウサギは、強く結びついていたみたいで、童謡にもなっています。『うさぎ』うさぎ うさぎなに見て はねる十五夜 お月さま見て はねる作者は不明ですが、古い世代の人は覚えてられる…
極楽浄土にあこがれて -
- ネズミに乗るガネーシャ
- 日本の聖天(歓喜天)のルーツであるガネーシャですが、象頭人身なのに、その乗り物がネズミとして描かれることがあります。身体は人間だとしても、象の象徴で、おなかが出たガネーシャを支えるのがネズミというのはちょっと不思議ですね。非常にアンバランスな感じがします。ガネーシャとネズミの関…
極楽浄土にあこがれて -
- ピンダ
- ピンダとは、サンスクリット語で「球」を意味し、穀物なのでつくった、いわゆる団子です。肉でつくられたものもあったと言われています。ミートボールですね。ピンダは、古代インドでは、供物として祖霊に捧げられたそうです。供物としてのピンダの歴史は、古代インドのブラーフマニズムにまで遡るそ…
極楽浄土にあこがれて -
- 准胝観音(じゅんていかんのん)
- 仏・菩薩の中で、観音菩薩は大変人気があります。救いを求める者に合せて三十三に変化しますので、その性別は不明です。ただ、沢山の種類がある観音菩薩ですが、女性として表現される尊格があります。その一つが准胝観音です。准胝観音の由来については、あまりにも様々な説があって、実態がよくわか…
極楽浄土にあこがれて -
- 東大寺華厳会
- 東大寺の法会の中でも、有名なのが華厳会です。毎月15日の『華厳経』の読経がおこなわれ、国家安泰を祈ります。この華厳会の起源は、752年の大仏開眼供養会にまで遡ると言われています。そこには、不思議なお話しがあります。聖武天皇が、東大寺開眼供養の読師を誰にすべきか悩んでいたところ、…
極楽浄土にあこがれて -
- 虎の威を借る狐
- 『今昔物語集』に虎の威を借る狐のお話があります。ただし、このお話しから「虎の威を借る狐」の意味が来ているわけではないみたいです。面白い示唆を与えてくれますので、ご紹介します。インドのある山に狐と虎が住んでいました。狐は虎の威を借りて、他の獣たちをおどしていました。これを知った虎…
極楽浄土にあこがれて -
- ソーマ
- ソーマは、ヴェーダなどのインド神話に登場します神々の飲料です。ソーマは、古代のインドの人々に非常に高く評価されており、不老不死をもたらす霊薬と呼ばれています。『リグ・ヴェーダ』にソーマ讃歌がありますので、宗教的にたいへん重要であったと考えられます。ただし、現在ではその製法は残っ…
極楽浄土にあこがれて -
- 那羅延天(ならえんてん)
- 那羅延天は、ヒンドゥー教の3大神の1柱ヴィシュヌ神が、仏教に取り入れられた護法善神です。たいへん強い力を持った神様とされています。ただ、帝釈天の配下とされているところは、ちょっと不思議です。帝釈天は、バラモン教・ヒンドゥー教のインドラ神ですが、3大神の1柱が、その配下になってい…
極楽浄土にあこがれて -
- 庚申堂の本尊
- 庚申信仰とは、人の身体に三尸(さんし)という虫がおち、60日に一度めぐってくる庚申(こうしん)の日に眠ると、この三尸が体から抜け出して、天帝にその悪事を伝えるというものです。そのため、庚申の夜は眠らずに過ごします。平安時代に貴族の間で人気となりますが、その後廃れます。江戸時代に…
極楽浄土にあこがれて -
- 邪視(じゃし)
- 邪視は、悪意で相手を見つめれば、その相手が呪われるとするものです。これによって、病気、さらには死んでしまうこともあります。日本だけでなく、世界中で信じられている民間信仰です。日本でも、ヒラメや鶏など目に特徴のある動物は怖れられたそうです。この邪視をもっていたとされる神が、猿田毘…
極楽浄土にあこがれて -
- 明王の起源
- 密教の中で、忿怒相の明王は、たいへん重要な役割を果たします。とくに、不動明王などは、単独で多くの信仰を集めています。ただ、仏教全体では、仏・菩薩が中心で、明王は異質です。その起源は、どこにあるのでしょうか。明王の起源を非アーリア系に求める説がります。アーリア人が、北から南下して…
極楽浄土にあこがれて -
- 吉祥天のご利益
- 吉祥天は、富と美の神様です。これらについて、様々なお話があります。聖武天皇の時代に、二十三人の王たちが、宴席を順番に設けておりました。その中に、一人貧乏な女王がいて、宴席を設けることができません。そして、奈良の服部堂の吉祥天像に助けを求めていました。そうこうしていますと、なんと…
極楽浄土にあこがれて -
- 宝戒寺の聖天像
- 鎌倉の宝戒寺は、後醍醐天皇が滅亡した北条氏を弔うため、足利尊氏さんに命じて、北条氏歴代執権屋敷跡に建てられたお寺です。ただ、実際の造営は、後醍醐天皇没後、足利氏によって行われたそうです。この宝戒寺には、聖天(歓喜天)が祀られています。二世普川国師惟賢和上(ふせんこくしゆいけんか…
極楽浄土にあこがれて -
- 善悪の報い3
- お金持ちの地獄めぐりの最終回です。判決のため、お金持ちとその関係者が、閻魔大王の下に集められました。判決は、多数の意見を尊重し、証言の多い方の意見を採るというものでした。千万余人の者の意見が採択されたのです。7人の牛頭は、怒り、復讐を誓います。しかし、お金持ちは、千万余人の者に…
極楽浄土にあこがれて -
- 善悪の報い2
- 前回の続きです。妻たちは、言われたとおりにしていますと、お金持ちは、9日後に生き返りました。そして、地獄での出来事を話しました。まず、頭が牛で身体が人間の鬼が7人現れ、お金持ちは宮殿に連れていかれました。そして、閻魔大王に会います。7人の鬼のようなものは、閻魔大王にこの男が自分…
極楽浄土にあこがれて -
- 善悪の報い
- 人は、良いことをすると良い報いがあり、悪いことをすると悪い報いがあるということが仏教の教えですが、良いことばかりした人や悪いことばかりした人は稀です。多くの人は、善悪両方を行っています、それでは、その報いはどうなるのでしょうか。『日本霊異記』に、聖武天皇の治世のころいた、あるお…
極楽浄土にあこがれて -
- ガネーシャの由来3
- 今回も、ガネーシャがどうして象頭になったかについての異説をご紹介します。『スカンダ・プラーナ』にあるお話しです。パールヴァティーは、おなかにガネーシャを宿していました。ある悪魔が、パールヴァティーを妬み、シンドゥーラという悪魔に、パールヴァティーの胎内に入って、胎児の頭を喰うよ…
極楽浄土にあこがれて -
- ガネーシャの由来2
- 前回、ガネーシャがどうして象頭になったかについて、ご紹介しましたが、他にもいくつか説があります。一つの説は、母であるパールヴァティーが、自らの不浄物をガンジス河のマーリニーという羅刹女に飲ませ、マーリニーが妊娠します。このマーリニーは、象頭だということです。そして、ガネーシャが…
極楽浄土にあこがれて -
- ガネーシャの由来
- ガネーシャは、ヒンドゥー教の神様で、現世利益をもたらしてくれるので、インドでは大変人気があります。日本でも、同様に、現世利益をもたらす、聖天・歓喜天として、多くの人々の信仰を集めています。ガネーシャの特徴は、なんといってもその象頭にあります。それでは、どうして像頭なのでしょうか…
極楽浄土にあこがれて -
- 毘沙門天のご利益2
- 前回に続き、毘沙門天のご利益についてです。世恒は、毘沙門天のおかげで、いくら使ってもコメが無くならない袋をいただきましたが、この話を国守が聞いてしまいました。そして、国守は、世恒にその袋を渡すよう命じました。世恒は、逆らうことができませんので、「百石分お渡しする」といって、袋を…
極楽浄土にあこがれて
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