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- 訓言#52 人格を完成する基本的な条件
- 深く正しい呼吸をすれば自然に姿勢が正しくなり、姿勢が正しくなればそれに伴って心も正しくなるわけである。(中略)腰をのばして姿勢を正し、丹田呼吸をすることは、人間が人格を完成する基本的な条件であることは、これをやったもののひとしく認めるところである。大森 曹玄大森曹玄『剣と禅』春秋…
訓言録6 -
- 訓言#51 人間としての真の生き甲斐
- そもそも人間の努力というものは、自分一代だけでは、どんなに努力してみたところで、限りあるものであります。随って偉大な仕事ほど、後につゞく人々に託する外ないということになるわけです。同時にこのような大業に開眼せられてこそ、そこにはじめて人間としての真の生き甲斐はあるというものでしょ…
訓言録6 -
- 訓言#50 努力の真諦
- 努力して居る。もしくは努力せんとして居る、ということを忘れて居て、そして我が為せることがおのずからなる努力であって欲しい。そうあったらそれは努力の真諦であり、醍醐味である。(中略)努力して努力する、それは真のよいものではない。努力を忘れて努力する、それが真の好いものである。幸田 …
訓言録6 -
- 訓言#49 天に仕える心
- 凡そ事を作(な)すには、須らく天に事(つか)うるの心有るを要すべし。人に示すの念有るを要せず。(すべて事業をするには、天[神または仏]に仕える心をもつことが必要である。人に示す気持があってはいけない。)佐藤 一斎佐藤一斎『言志四録(一)』川上正光全訳注、講談社(講談社学術文庫)、…
訓言録6 -
- 訓言#48 理念に生きる
- 理念に生きるとは、不可能なものをあたかも可能であるかのように扱うことである。ゲーテ『ゲーテ全集 13 新装普及版』小岸昭他訳、潮出版社、2003年我々人間は、現実という“実際”の中に生きている。これは避けられない事実だと言えよう。“実際”の中で起こる様々な出来事が、それぞれの人間…
訓言録6 -
- 訓言#47 偉大な理念(2)
- どんな偉大な理念も、現実化するやいなや暴君のような働きをする。それゆえに、理念のもたらす利益はあまりにも早く損失に変ずる。だからどのような制度も、その初めを思い出して、その制度のうちで初めに妥当したもののすべてが今なお妥当することを証明できる場合にのみ、これを擁護し称賛することが…
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- 訓言#46 偉大な理念(1)
- 福音となって世に現れる偉大な理念はすべて、沈滞した杓子定規の大衆には腹立たしいものと映り、広くはあるが浅薄な教養を身につけた人びとにはばかげたものに見える。ゲーテ『ゲーテ全集 13 新装普及版』小岸昭他訳、潮出版社、2003年様々な考えや価値観を持った多くの人々によって成り立つこ…
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- 訓言#45 物事を見るときの選択
- 物事の明るい面を見るか、暗い面を見るかを、われわれは自分で選ぶことができる(略)。サミュエル・スマイルズサミュエル・スマイルズ『向上心』竹内均訳、三笠書房(知的生きかた文庫)、2011年人間の日々の生活は、実に様々な「物事」を「見る」ことから成り立っている。そして、“見た”それぞ…
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- 訓言#44 謙虚でなければ
- 謙虚でなければ自分より高い水準のものは決してわからない。せいぜい同じ水準か、多分それより下のものしかわからない。それは教育の根本原理の一つである。岡 潔岡潔『春宵十話』光文社(光文社文庫)、2006年人間が何かを“分かる”という過程においては、“対象がすべて目の前に広がっており、…
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- 訓言#43 分別のある人
- 全体の秩序を十分によく見ている者は、それぞれの部分があるべき位置を知っている。一つの部分を十分によく見ていて、それを根底から知っている者は、学問のある人になれるかもしれない。しかし前者は分別のある人になる。ルソールソー『エミール(上)』今野一雄訳、岩波書店(岩波文庫)、1962年…
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- 訓言#42 心の養分
- 読書はわれわれ人間にとっては心の養分ですから、一日読書を廃したら、それだけ真の自己はへたばるものと思わねばなりません。(中略)「一日読まざれば一日衰える」と覚悟されるがよいでしょう。森 信三森信三『修身教授録』致知出版社、1989年子を育てる親は我が子の健やかな成長を願い、食事に…
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- 訓言#41 真の人生を味わうためには
- 苦しめば苦しむほど、あなたの人格は深くなり、そして、人格の深まりとともに、あなたはより深く人生の秘密を読みとるようになる。すべて偉大な芸術家、偉大な宗教的指導者、偉大な社会改革者たちは、峻烈この上ない戦いから生まれた。かれらはその戦いを勇敢に、そしてきわめてしばしば、血と涙をもっ…
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- 訓言#40 人間の真の宝
- 人間は、蓄積された過去のある高さから存在し始める。これこそ人間の唯一の宝、特権、そして印である。そうしたなかで適切と思われるもの、保持するに値すると思われるものは、実はその宝のほんの一部にすぎない。重要なのは、いつも同じ間違いを犯さないことを可能にしてくれる記憶、つまり間違いにつ…
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- 訓言#39 偉大な事業の達成に必要なもの
- 偉大な事業は、粘り強い仕事なしに達成されるものではない。そういう仕事は、あまりにも注意を奪い、あまりにもむずかしいので、骨の折れるような娯楽をするためのエネルギーがほとんど残らないのである。バートランド・ラッセル『ラッセル 幸福論』安藤貞雄訳、岩波書店(岩波文庫)、1991年人間…
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- 訓言#38 科学文明の発達と人間の修養努力
- 私たちは善良であると同時に賢明でなければならない。科学文明が発達すれば、人間の修養努力は必要でないと思うのは大変なあやまりである。科学文明の発達してゆく中で、人間が個人としても、人類全体としても幸福に生きつづけてゆくことは、決して容易ではないのである。湯川 秀樹湯川秀樹『創造的人…
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- 訓言#37 真の偉大さの徴
- あたかも猛獣が犬の吠え声を悠然と眺めるように、あたかも巨大な岩礁にあたった波が砕け散るように、いっさいの打撃を感じないのは、真の偉大さの徴である。セネカセネカ『怒りについて 他二篇』兼利琢也訳、岩波書店(岩波文庫)、2008年人は普通、自身が攻撃を受けたとき、反撃をして相手を打ち…
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- 訓言#36 教育の使命
- 内部における価値判断の組織を生み出し、それを完全かつ善良に活動させる有機体にまで育成すること、それがすべての教育の使命である。池田 亀鑑池田亀鑑『古典学入門』岩波書店(岩波文庫)、1991年“教育”という言葉は非常に多義的であり、意味が定まらないものでありながらも、現代においては…
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- 訓言#35 善い人間が忘れないもの
- 善い人間は、よしんば暗い衝動に動かされても、正しい道を忘れてはいないものだ…(略)。ゲーテ(「ファウスト」より)ゲーテ『ファウスト 第一部』相良守峯訳、岩波書店(岩波文庫)、1958年「正しい道」を歩もうとする人は、決して少なくない。ほとんどの人間が、「正しい道」があることを知り…
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- 訓言#34 真に自己自身を知る
- 私達は悪と誤謬との苦しみに血を流すとき、懺悔と祈りとのために大地に涙するとき、真に自己自身を知ることができる。怠惰と我執と傲慢とほど、私達を自己の本質の理解から遠ざけるものはない。三木 清三木清『人生論ノート』新潮社(新潮文庫)、1954年果たして、人はどれほど己自身のことを知っ…
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- 訓言#33 日々の生活を質的に高めること
- その日の生活を質的に高めることこそ、最高の芸術にほかならない。すべての人間は自己の生活を細部に至るまで、精神がもっとも高められ研ぎすまされた瞬間の観照にも耐えられるものにしておくべきである。H.D. ソローH.D.ソロー『森の生活(上)』飯田実訳、岩波書店(岩波文庫)、1995年…
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- 訓言#32 欲望を減らしてこそ
- 欲望をかきたてたり、増長させたりすることは、英知の正反対である。それはまた、自由と平和の正反対でもある。欲望が増すと、意のままに動かせない外部への依存が深まり、したがって、生存のための心配が増えてくる。欲望を減らしてこそ、争いや戦争の究極的な原因であるさまざまな緊張を本当に和らげ…
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- 訓言#31 一日の意味
- 人間も五十をすぎてから、自分の余生の送り方について迷っているようでは、悲惨と言うてもまだ足りません。そこで一生を真に充実して生きる道は、結局今日という一日を、真に充実して生きる外ないでしょう。実際一日が一生の縮図です。森 信三森信三『修身教授録』致知出版社、1989年人間は通常、…
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- 訓言#30 自助の精神
- 外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし元気づける。(中略)保護や抑制も度が過ぎると、役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである。いかにすぐれた制度をこしらえても、それで人間を救えるわけではない。(中略)いつの時代にも人は…
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- 訓言#29 生命を高貴にする唯一のもの
- 自分のもっている最善の知識に従って忠実に歩むこと、自分に対して厳格で誠実であること、言うばかりで行なわない人たちの仲間のひとりとならないこと、真剣であること——この訓練こそ、それによって人間がかれの生命を一時的な瞬間と肉体的感覚との束縛から救い、それを高貴にしそれを永遠にすること…
訓言録6
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