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- 登録ID
- 2100520
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- タイトル
自句自解
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- カテゴリ
- 俳句・短歌 (66位/131人中)
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- 紹介文
- 俳誌「方円」2002年3月号初掲載以降現在までの作品のうち1句を取り上げ、毎週火・金の2回、自分で深く掘り下げて解説します。それ以外の日は新作など少し。
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記事一覧
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- 古の想像力 自句自解
- 小綬鶏に誘はれ山の社まで 「雲の峰」2024年5月号青葉集掲載。小綬鶏はキジ科の鳥で春の季語。もとは中国から持ち込まれたという。2024年3月16日、以前亡父が歩いた十三峠を歩いた。近鉄平郡駅から十三峠を越えて近鉄枚岡駅まで歩くコース。途中いくつか寺社を訪れるが、比較的山の麓に…
自句自解 - 古の想像力
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- 石仏を巡る旅 自句自解
- 浅春の渓に張り付く弥勒仏「方円」2020年5月号円象集掲載。2020年2月24日、京都府南部・和束町のハイキングコースを訪れる。和束川沿いの道を暫く歩くと、川を覗き込むように佇む高さ6メートルの磨崖仏が姿を現す。足元には、正安二年(1300年)四月作との碑文が残されている。また…
自句自解 - 石仏を巡る旅
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- たまには立ち止まろう 自句自解
- 鷺佇ちて夕東風吹ける向き睨む 「方円」2022年5月号円象集掲載。鷺は青鷺、白鷺なら夏の季語だが、単なる鷺なら季語にならない。青鷺は年中見かけるイメージがある。彼らは地上でじっと立ち尽くしたまま動かない。風向きをじっと睨んで、しばらくその場を動かない。風が吹いても動じない。大…
自句自解 - たまには立ち止まろう
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- 今日はいのちの日 自句自解
- 桃咲くや半旗掲げるオフイスビル 「雲の峰」2023年5月号青葉集掲載。3月11日はいのちの日。2011年のこの日に起こった東日本大震災を契機に、災害時医療を考える会(Team Esteem)が提唱したもの。彼らは震災で失われた多くの命を悼み、同時に私たちが日頃から災害に備える重…
自句自解 - 今日はいのちの日
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- 視点の違い 自句自解
- 白梅に佇ち白梅の香を纏ふ 「方円」2017年5月号円象集掲載。枚方・山田池公園梅林での一コマ。ここは家から車ですぐ行けるところで、よく出かけては句作に励む。どうしても色合い的に紅梅の方が目立ってしまうが、白梅も負けじと美しい花を咲かせる。そんな白梅の前に立って、じっと眺めて一句…
自句自解 - 視点の違い
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- 去年と同じ感覚 自句自解
- 日光てふ椿日陰に咲きにけり 「雲の峰」2024年5月号青葉集掲載。所用で京都市営地下鉄竹田駅で降りる。駅には「城南宮・当駅より19分」との大きな看板。用事を済ませてから寄ってみた。ここは梅の花と椿の花の名所として知られる。まだ梅の花は咲いていなかったが、椿はちらほら咲き始めてい…
自句自解 - 去年と同じ感覚
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- 人が耐えるということ 自句自解
- 梅一輪嵐に蘂を取られつつ 「方円」2020年4月号円象集掲載。「蘂」とはおしべ、めしべの「しべ」の事。「桜蘂降る」という季語があるが、これは桜が散った後でがくに残った蘂が散って落ちる事を指す。私がこの句で表したかったのは、梅の花びら。今読み返すと、完全に用法を誤っていた。いずれ…
自句自解 - 人が耐えるということ
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- 細かいところへの目配り 自句自解
- 梅七分大日像は印結ぶ 「方円」2005年4月号雑詠掲載。今から20年前に詠んだ句。場所は恥ずかしながら忘れてしまったが、真言宗系のお寺の境内か周辺の梅林と思われる。梅が満開とは言わないが花の色、香りが目立つようになった季節。本尊の大日如来は静かに印を結んで、世の平安を祈る。お寺…
自句自解 - 細かいところへの目配り
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- 余寒と春寒 自句自解
- 苔纏ふ土塀の甍余寒なほ 「方円」2022年4月号特別作品「穏やかなれ」15句のうちの1句。この年の1月末、方円代表の先生より切羽詰まった様子のLINEを頂く。方円4月号に特別作品を寄稿する予定だった方が辞退されたとの事。誠に申し訳ないが、急遽2月締め切りで15句送って貰いたいと…
自句自解 - 余寒と春寒
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- 焦燥感と下心 自句自解
- 菜の花や護岸工事の昼休み 「方円」2007年4月号雑詠掲載。山の頂上から下を見た風景。場所ははっきりと覚えていないが、石清水八幡宮のそば、男山の展望台から木津川方面を見たと思われる。すぐそばに川があり、そこで護岸工事をやっている。その近くには菜の花畑があって、鮮やかな黄色が目に…
自句自解 - 焦燥感と下心
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- そこにあるという自然 自句自解
- 城二つ左右に望み耕せり「雲の峰」2024年4月号青葉集掲載2024年2月、能勢町は丸山城跡・地黄城跡を訪れた際の一コマ。丸山城跡から畑と道路を隔てて少し行くと、立派な石垣が残る地黄城跡がある。写真の丸山城跡は、見る人から見れば山城跡だとわかるが、地元の人にとっては、予備知識とし…
自句自解 - そこにあるという自然
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- 今日は建国記念の日 自句自解
- 苔むせる尊徳像や建国日 「方円」2009年4月号雑詠掲載。2月11日は建国記念の日。この日は神武天皇の即位日とされ、戦前まで紀元節と呼ばれていたが、1948年に廃止。1966年に再び国民の休日に制定されたため、建国記念の日は春の季語とされる。この句で詠まれている「尊徳像」とは、…
自句自解 - 今日は建国記念の日
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- 思い悩まないこと 自句自解
- 梅探る病める心と向き合うて 「方円」2023年4月号円象集掲載。2023年2月、ADHD・ASDとの診断を受けた頃に詠んだ句。場所は恐らく自宅から車で行ける枚方・山田池公園の梅林か。2月上旬から梅が開きだす。診断を受けて、すっきりした気持ちと不安な気持ちが入り混じったような不思…
自句自解 - 思い悩まないこと
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- 今日は西の日 自句自解
- 探梅や健康靴の履き具合 かきもり句会2024年2月主宰選。2月4日は2と4の語呂合わせで西の日。この日に西の方へ向かうと、幸運に巡り合うとも言われている。いささか強引ではあるが、今回紹介する句で詠まれている「探梅」の場所は、我が家から西へ向かった枚方・山田池公園梅林。よく行くス…
自句自解 - 今日は西の日
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- 主張するということ 自句自解
- 寒鴉届かぬ声の断続す 「方円」2010年3月号雑詠掲載。「寒鴉」という季語は好きでよく使う。その名の通り冬の鴉のこと。枯れ木の枝や電線などで動かずにじっとして、時々嗄れた声を発する様は、いかにも荒涼として寂しい。いつも歩く散歩道、刈り終えた田畑が広がる風景の中に、いかにも「寒鴉…
自句自解 - 主張するということ
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- 純粋な気持ち 自句自解
- 幾曲がりして果つるなり冬田道 「方円」2003年3月号雑詠掲載。方円に入会し、本格的に俳句を始めた最初期の句。当時30代前半。田畑が広がる田舎の風景を素直に詠んでいる。眼前に広がる畦道や農道はさほど整備されておらず、昔開いた田んぼのままのフォルムを残している。そのため不規則に曲…
自句自解 - 純粋な気持ち
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- 泰然自若 自句自解
- 杭の如川に鷺立つ寒九かな 「雲の峰」2024年3月号青葉集掲載。「寒九」とは、寒の入りから九日目という事。この日に降る雨は豊作の前兆だと言われている。2024年の寒九はいいお天気だった。所用で京都・三条京阪へ。駅を降りてすぐ西側に、鴨川が流れている。三条大橋を渡って振り返ってみ…
自句自解 - 泰然自若
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- 自然に対する畏敬の念 自句自解
- 風向きに戸惑ふ煙冬岬 「方円」2012年3月号特別作品「La Mer」15句のうちの1句。この年私は第24回方円賞を頂き、新たに同人として迎えられる事となった。方円賞受賞者は、その年の3月号に特別作品を寄稿する事になっていた。当時ドビュッシー生誕150年のメモリアルイヤーだった…
自句自解 - 自然に対する畏敬の念
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- もう30年 自句自解
- 飾焚く煙の奥に古都の景 「雲の峰」2024年3月号青葉集掲載。「飾焚く」とはいわゆるとんど、左義長の事。毎年小正月に松飾りやしめ縄、書き初めなどを燃やし、この一年の無病息災を願う行事の事。どこへ出かけたか忘れてしまったが、学校の校庭付近から煙が上がっていた。この日は小正月。ちょ…
自句自解 - もう30年
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- 今日は愛と希望と勇気の日 自句自解
- 落葉道山頂にまた日の射せり 「方円」2011年3月号雑詠掲載。1月14日はタロ・ジロの日。1957年、第一次南極観測隊と共に南極に連れられた15頭の樺太犬は、翌1958年までの1年間昭和基地で過ごしたが、トラブルにより隊員と一緒に帰還できず、やむなく首輪をつけたまま基地に残され…
自句自解 - 今日は愛と希望と勇気の日
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- 言うべきことと言わざること 自句自解
- 石仏の笑み絶やさざる寒の内 「雲の峰」2024年3月号青葉集掲載。寒の入り(1月6日頃)から立春前日(2月3日)までの約30日を寒と呼び、その期間内を「寒の内」と呼ぶ。この時期が一年で最も寒い時期とされる。そんな中で見た、道端の石仏。お地蔵さんの場合が多い。お寺に本尊として祀ら…
自句自解 - 言うべきことと言わざること
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- 今日は七草粥の日 自句自解
- 七草粥先づちちははに供へけり 「雲の峰」2024年3月号青葉集掲載。1月7日は七草粥の日。皆さんご存じの通り、「芹、薺、御形、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔」の7種類の野草を刻んでお粥に入れる。万病に効くとされ、平安時代からこの習慣が続けられているという。年末年始の暴飲暴食のあとの朝食…
自句自解 - 今日は七草粥の日
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- それぞれの人生 自句自解
- 山茶花のけふ開く者撓ふ者 「雲の峰」2024年3月号青葉集掲載。毎年初詣は近所の神社へ散歩がてら行く。その道すがら、JRの線路沿いに、山茶花の木があり、鮮やかな赤い花を咲かせる。一気に咲いて、一気にすべて散ってしまう訳ではない。今日は3つ、明日は4つという具合に咲いて、また同じ…
自句自解 - それぞれの人生
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- 謹賀新年 自句自解
- 影といふ影を伸ばせる初日かな明けましておめでとうございます。旧年中は当ブログをご覧くださりありがとうございます。普段から早起きの私。元日もいつもの時間に起きて、おせちを食べて、Eテレのテレビ体操で体を動かして、近所の神社へ初詣。初日の出は7時5分頃見込み。神社の近くの、初日の出…
自句自解 - 謹賀新年
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- 2024年 私の四季 自句自解
- 春:霾や石室の奥靄るほど夏:邪鬼踏みしまま夏に入る四天王秋:ゑのこ草勝手気儘でありたしと冬:しはぶきて心の澱を吐き出せり 2024年も今日で終わり。そこで今日は、この1年で「雲の峰」で高評価を頂いた句を、季節ごとにご紹介したい。春の句。「雲の峰」2024年2月号青葉集掲載。当月…
自句自解 - 2024年 私の四季
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- 遠くにあるもの 自句自解
- 冬虹や都へ続く捨て畑 「方円」2023年2月号円象集掲載。時雨気味のお天気。よく歩く散歩道を歩いていたら、遠くに虹がかかっていた。この散歩道は、母校の中学校から少し歩いたところで、一面田畑が広がる、実に景色のいい場所だ。京奈和自動車道の高架を挟んで、遠く京都タワーまで見渡せる。…
自句自解 - 遠くにあるもの
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- メリークリスマス 自句自解
- 訃報聞き聖夜飾りを外しけり 「方円」2009年3月号雑詠掲載。クリスマスイブ、いかがお過ごしでしょうか。私は独り暮らしで、いつもと変わらないイブを過ごしています。今回の句、方円に投句したのは1月だが、ご覧の通りクリスマスイブの句。ご近所に、いつも凝ったイルミネーションを飾るお宅…
自句自解 - メリークリスマス
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- 迷った時は 自句自解
- オリオンに向かひ家路の人の列 「方円」2006年2月号雑詠掲載。冬の代表的な星座と言えばオリオン座。大きな四角形の真ん中に3つ星。夜明るい街中でも、比較的よく見える。当然の話だが、毎日同じ方向から昇り、同じ方向へと消えていく。夜、会社や学校から帰る人の列が、駅から続いている。ほ…
自句自解 - 迷った時は
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- 今日は飛行機の日 自句自解
- 木枯を切り裂き国際線西へ 「雲の峰」2024年1月号青葉集掲載。今日、12月17日は飛行機の日。1903年、アメリカのライト兄弟が世界で初めて動力付き飛行機の有人飛行実験に成功した事に因んで、この日を飛行機の日とした。今日紹介する句は昨年11月に詠んだ句だが、飛行機の日に因んで…
自句自解 - 今日は飛行機の日
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- どんどん変わっていく自然 自句自解
- 紅葉散る思ひの色にならぬまま 「方円」2018年2月号円象集掲載。「紅葉」はご承知の通り秋の季語だが、12月になっても鮮やかな紅葉があちこちに見られる。この時期の紅葉を「冬紅葉」と呼び、冬の季語として使われる。さらに冬も半ばになると、紅葉は散る一方。これを「紅葉散る」「散紅葉」…
自句自解 - どんどん変わっていく自然
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