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- 転校初日に声をかけてくれたのは、まさかの無口な彼だった
- 高校2年の春、私は父の転勤で転校することになった。 新しい学校の初日は、期待よりも不安のほうがずっと大きかった。教室のドアを開けた瞬間、見慣れない顔ばかりの中で、どう振る舞えばいいのか分からなかった。 先生に紹介されて席に着いたものの、授業中も休み時間も誰とも話せずに、ただ時間…
恋愛ログ2 -
- あと5日で、世界が終わるなら
- 「……あと5日だってさ」 そのニュースは、学校の昼休みに流れた。テレビ画面に映る政府の発表に、教室はざわつき、誰もが笑っていた。「また大げさな演出でしょ」って。でも、俺はわかってた。あれは嘘じゃない。 というのも、ちょうど30分前、空から降ってきた隕石の破片が校庭に突き刺さって…
恋愛ログ2 -
- 遠道
- 春先に別れたあなたを思い出したのは夕方に降り出した雨のせい暖かかった昼間から一転寒く暗くなったあの日と似ていた今日もう二度と会えないと泣き続けた夜が
sazanamiの物語1 -
- お弁当を交換した日から、ちょっとずつ心が近づいた
- 高校に入ってすぐの頃、私はお昼休みがちょっと苦手だった。 友達ができるのが遅くて、一人でお弁当を食べるのが気まずくて、教室の隅っこで食べたり、たまにトイレにこもったり。誰にも嫌われてるわけじゃないのに、なんとなく輪に入りそびれていた。 そんなとき、隣の席の男の子――立花くんが、…
恋愛ログ2 -
- 傘がなくて立ち尽くしてた私に、さりげなく差し出されたあの傘
- 予報では降らないって言ってたのに、放課後の空はどんよりと曇っていて、校門を出た瞬間にぽつぽつと雨が降り出した。 「うそでしょ……」 私は傘を持ってなかった。近くのコンビニまで行くにも、濡れるしかない。でも制服は洗ったばかりで、できれば濡らしたくなかった。 しばらく校門の屋根の下…
恋愛ログ2 -
- 手紙でしか伝えられなかった、まっすぐな気持ち
- 「今日はさ、ちょっとだけ遠回りしない?」 そんな彼の一言で、いつもとは違う帰り道を歩くことになった。放課後、校門を出た瞬間に夕陽がちょうど沈みかけていて、空がやさしいオレンジ色に染まっていた。 「このへん、あんまり来たことないかも」私は横目で彼を見ながら言う。彼――遼は、にやっ…
恋愛ログ2 -
- 【残072話】影はいつでもすぐそこに(6)
- ✚残072話 影はいつでもすぐそこに(6)✚ 思い掛けない告白には、さすがのエルフェリスも口を開けたまま唖然あぜんとするしかない。 「過去に何度もって……」 村を訪れたというのだろうか。聖職者とハンターで溢れ返ったあの村に。 「ああ、エルには会ったことは無かったけどな。デストロ…
モノクロリアル | 月海のオリジナル小説+α5 -
- もしあの時、“好き”って言ってたら、私たちはどうなってたんだろう
- 大学の2年の終わり頃、私は春音(はるね)という子とよく一緒にいた。 サークルもクラスも違ったけれど、共通の友人の誕生日会で隣に座ったのがきっかけだった。 「音楽、なに聴くの?」 たったそれだけの質問に、彼女がすごく嬉しそうな顔をして語り出したのを覚えている。そこから話がはずんで…
恋愛ログ2 -
- そういうことじゃない
- 「そういうことじゃない」言われたって私はあなたの「そういうこと」が分からない所にいて私の考える「そういうこと」はあなたが思ってもないことなのかもしれない
sazanamiの物語1 -
- その人は、旅先で見た夕陽みたいにきれいだった
- 大学4年の春休み、私は一人で沖縄に行った。ゼミの論文も就活も終わっていて、でもなにか心がぽっかりと空いたまま。 ふと、スマホで「ひとり旅 おすすめ」と検索して見つけた格安ツアーに、半ば勢いで申し込んだ。 2泊3日、名護の小さなゲストハウス。共有キッチンとリビングがあるその場所に…
恋愛ログ2 -
- あの人、初めて会った気がしなかった――陶芸教室で出会った彼と
- 大学の卒業を控えていた冬、私は就活や卒論の疲れから、心が少しだけすり減っていた。 家と大学、図書館とカフェを往復するだけの日々。SNSを見ても、誰かと比べては落ち込んでばかり。 そんなとき、たまたま駅前で見かけたポスターが目に留まった。「初心者歓迎・陶芸教室 体験受付中」 ずっ…
恋愛ログ2 -
- お母さんの話をする君に、恋をした
- 大学2年の夏、私は友達の紹介で始めたボランティアサークルで、彼に出会った。 名前は直哉(なおや)くん。最初に見た時の印象は、“ちょっと無愛想そうな人”。 活動中もあまり笑わず、いつも一歩引いたところから全体を見ているような人だった。でも、真面目で手際がよくて、何より“誰に対して…
恋愛ログ2 -
- それって“好き”なの?って聞かれた日、私は黙ってしまった
- 大学に入ってすぐの頃、クラスの雰囲気にも人にもなかなか馴染めず、いつも同じ席でお弁当を食べていた。そこにふと現れたのが、健太くんだった。 「ここ、座っていい?」 驚いたけれど、その声がやわらかくて、自然と「どうぞ」って言ってた。 それから、なんとなく昼休みに隣同士で過ごすように…
恋愛ログ2 -
- 傘を持ってなかった日、私は恋に濡れた
- その日は朝から小雨が降っていた。私は天気予報を見ていたはずなのに、傘を忘れた。 最寄り駅を出たときには、すでに本降りになっていて、歩き出すこともできず、駅の出口で立ち尽くしていた。 「……やばい」声に出してしまった。 スマホで天気アプリを開いてみても、傘は出てこない。カバンの中…
恋愛ログ2 -
- また、あのカフェで――言えなかった“好き”を抱えたまま
- 高校の時から一人でふらっと入るのが好きだった、駅前のあの古いカフェ。飾りっ気のない木のテーブルと、店内に流れる静かなジャズ。大学生になっても、空きコマの合間に本を読んだりレポートを書いたり、静かに時間を過ごせるその場所は、なんとなく居場所みたいになっていた。 彼と初めて言葉を交…
恋愛ログ2 -
- ずっと画面の中だけの存在だった君が、今日、目の前にいる
- 俺が毎日のようにログインしてるオンラインゲームには、ギルドっていう仲間のグループがある。その中で、いつも一緒にプレイしてたのが「はるる」って名前のプレイヤーだった。 男か女かもわからなかったけど、やたら気が合って、いつの間にかゲーム以外のことも話すようになってた。 「まじでそれ…
恋愛ログ2 -
- 隣に座っただけのはずだった、深夜バスで出会った彼女
- 年末の帰省ラッシュで、新幹線の指定席はどこも満席。渋々深夜バスを予約した俺は、22時発のバスに乗るため、新宿のバスターミナルにいた。寒風吹きすさぶ中、人の多さと慣れない夜行バスの空気感に、ちょっと気が重かった。 指定された席は、通路を挟んだ三列シートの左側。普通は片側に1人ずつ…
恋愛ログ2 -
- あの子が、俺の部屋に来るなんて――メガネを外したら、全然違って見えた
- その子は、同じ職場の経理の佐伯さん。年はひとつ下で、メガネをかけた地味めな子。声も小さいし、あまり人としゃべってるのを見たことがない。 でも、ある日、社内システムのトラブルがあって、俺が対応してたら、「お手数かけてすみません……」って、少しだけ距離を詰めてきた。 それから、週末…
恋愛ログ2 -
- 同居人のくせに、そんな優しくしないでよ
- 大学の先輩の紹介で、シェアハウスの住人になった。 と言っても、3人とか4人とかじゃない。2人きり。しかも男女。 自分でも、なにしてんだろって思った。 当時、私は彼氏と別れたばかりで、家賃も浮かせたくて、でもひとり暮らしに戻る気力がなくて。紹介してくれた先輩が「アイツ、マジで何も…
恋愛ログ2 -
- エクスクラメーションマーク 511 (R-18)
- 『じゃあ、また来週』テレビ番組の終わりみたいに言われて「ああ、うん、ありがとう。また、来週────」こう返すしかないじゃないか。真海からかかって来たビデオ通話は、突
sazanamiの物語1 -
- 増上寺・東京寺社仏閣さんぽ
- 増上寺と言ったら東京タワー。 東京タワーと言ったら増上寺。 そんなイメージで、東京タワーのすぐ近くにある、と言う思い出しかなかった増上寺に行ってきました。 来たことあるんだろうけど、何も覚えてないのでほぼ初めてのようなものです。 浜松町駅から真っ直ぐ歩いて5分くらいのところにあ…
モノクロリアル | 月海のオリジナル小説+α5 -
- 職場での運命の出会い?クールな先輩との、甘くて温かい初恋物語
- 新卒で今の会社に入社して、私は毎日が手探りで、不安でいっぱいでした。 社会人としての一歩を踏み出したばかりで、仕事の進め方も、人間関係の築き方も、何もかもが初めてのことばかり。 真面目な性格が災いしてか、小さなミスにも深く落ち込んでしまったり、周りに気を遣いすぎて空回りすること…
恋愛ログ2 -
- あの朝、あの手を振られたのがはじまりだった
- 私の朝は、だいたい同じ電車から始まる。 家から最寄り駅まで徒歩8分。急行は混むから、各駅停車に乗って、ぼーっとスマホをいじるのがルーティン。 その日も、いつもと同じ時間、同じ場所に並んで、扉が開くのを待ってた。 …と思ったら、隣に並んでた男の人が、急に私に向かって手を振った。 …
恋愛ログ2 -
- 京都まで来てくれるなんて、ちょっと期待してしまうよ
- 「ねぇ、京都って行き慣れてる?」 急にそんなLINEが届いたのは、水曜日の昼休み。相手は社外の取引先の人、って言うとちょっと堅苦しいけど、実際はイベント企画会社の営業担当で、たまに仕事で電話したり、打ち合わせで顔を合わせるくらいの距離感の男性。 年齢はたぶん私と同じくらい。名前…
恋愛ログ2
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